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~ぷろろーぐ Ⅲ~
 
 遠い昔に都があった、人口だけは政令指定の都会に住むことが好やなかっ
た僕は、なんとなく田舎に住みたいという願望が成人したころからあった。それは父親の実家のある山陰の小さな漁師町へ子供のころによく遊びに行ったことで芽生えたのかもしれない。

 目の前は海、後ろは山。決して高いわけではないから、子供でも簡単に登れる低い山々が連なり、西へも東へも隣の街へ行くにはその山を越えていかなければならない。
遊びに行くのはいつも夏休み、朝の早くから近くの神社へラジオ体操に行き、宿題を簡単に少しこなして、遊びはもっぱら海水浴やった。

 夜になると、人も車もまばらとなり、ネオンはもちろん無い。街灯もちらほらの真っ暗な世界となる。これが少年にとっては最悪のロケーションとなり、暗い部屋で一人寝ていると、窓横の木の上に何かいるんじゃないか、猫が屋根から屋根へ移る時の「パタッ」という音にビクリとして、あの網戸をスート開けて青白い顔をした少年が入ってくるんじゃないか、とさまざまなよからぬ創造力を膨らませてしまい、眠れぬ夜もしばしばあった。

 そんな時にかぎって夕飯後にスイカを食べ過ぎてトイレに行きたくなる。トイレは1階の一番奥にある。そこへたどり着くには、まず暗い階段を下りて、狭い廊下を超えて、居間を抜けて、また狭く暗い廊下を通りやっとの思いでトイレに着く。昼間の三倍は遠く感じたもんやった。

『なんで田舎の家はこんなに広いんや・・・』


 それでも、とにかく楽しかった、早く夏休みになってほしかった。親父の実家へ遊びに行くのがすごく待ち遠しく、できれば住みたいぐらいだった。
小学校に上がる前からひとり、祖母に預けられていたので、同年代の友達も数人いた。夏休み限定の友達である。

 成人してもそのころの想いが強烈に頭の中の隅々に残っていて、「隣はなにをする人ぞ」ではないが、人も、車もあまりにも多く、見渡す限りに家とビルばかりの都会から脱出したかった。



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2008.05.02 / Top↑
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