上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
 この年の五月のゴールデンウイークは二日から始まった。朝の六時に出発して、国道一号線を東へと向かい、三泊四日のバイクの旅に出かけた。
 朝の早い時間は、主要国道とはいえ交通量は少なく、三泊分の着替えと雨具を入れたバッグを荷台に括りつけ、悠々と国道を走行していった。
 五十キロメートルほど走った所に鈴鹿峠がある。この峠は上り線と下り線が別のルートを走り、急勾配と急カーブが続く。カーブの連続なのに上下線が別ルートだから対向車は向かってこない。いわゆる峠族などと言われた輩が、コーナーリングを楽しむには打ってつけの道かも知れない。しかし、トレールバイクのような車高の高いバイクは、カーブと勾配が急すぎるために、バランスを崩して転倒する可能性がある。特に下り坂は危険だ。
「ちょっとスピードの出すぎかなあ」
 右へ左へと続くカーブの連続に、身体を右へ左へと少し大きく傾けて、急カーブをやり過ごした。そしていくつ目のカーブだっただろうか、右へ身体を傾けて少し行くと、曲がりはじめの予想よりに大きく右へ曲がり、勾配も、より急な下りになった。次の瞬間、バイクはそのまま右へ倒れこみ、右側を下にして下り坂を滑っていった。
「あっちゃあ、こけてもうたがな」
 ほとんど痛みもなく、まるで野球のスライディングのように滑っていった。夏樹の体とバイクには特に外傷はなかった。後々になって分かったことだが、前輪とハンドルのバランスが少しずれていた。
「もうちょっとスピードが出んようにして走らな、あかんなあ。後ろから車が来てなくて、良かった。来てたら大変やった」
 夏樹は声にはならない声で独り言を言った。その場で一休みして、気を取り直し、きょうの目的地の明治村に向かった。



・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
・応援いただき、ありがとうございます。

スポンサーサイト
2010.05.28 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/303-f8508d9a

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。