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 金華山と言う小高い山の上に岐阜ユースホステルはある。ガイドブックには「夜景を眼下に楽しいコーヒーブレイク」とある。少々楽しみではある。
 ゴールデン・ウイークの真ん中の日、ここも多くの宿泊者が集まっている。予約を入れたのは四日前のこと、泊まることが出来たのは男が一人だけだったからだろう、全体に女性の宿泊者が多いように見える。
 賑やかな食堂で一人、夕食を食べた。夏樹の周りには大学生のグループが教授や講師への愚痴をこぼしながら、笑顔の絶えない会話が続いていた。旅先での出会いはユースホステルに泊まることの一番の楽しみではあるが、うちはの話題の中には入ってはいけない。食べ終えた食器をトレーに載せ、厨房の返却口と書いてあるコーナーへ持っていった。その横にインスタントコーヒーの大きな瓶と、粉ミルク、砂糖、そして数十人分のコーヒーカップ、ティースプーンが置かれている。ご自由にどうぞと書かれていた。好みの量をカップに入れ、二つ置かれたポットからお湯を注ぎ、そのまま大きな窓の方へ向かった。
「おおう、眼下に広がる夜景やなあ」
 何万ドルの夜景とはいかないが、岐阜の町並みの明かりが美しい。あちらこちらで道路を行きかう車の動きが規則的に動くのが見える。

「こんばんは、一人ですか」
 夏樹の年ぐらいの男の人が声をかけてきた。
「はい、一人です。今日はほとんど満室みたいですね。おたくも一人ですか」
「はい、関西の方ですね。でも大阪ではなさそうですね。神戸か、それとも京都かな」
「ええ、大阪やのうて神戸か京都や言うのが、なんでわかるんですか」
「全国を旅して大勢の人と話をしていると、だいたい分かるようになりましたんや」
「すごいですねえ、たしかに京都から来ました。そちらは関東の人ですね。でも今の関西弁は上手でしたよ」
「なぜか関西の人と仲良くなることが多いんです。そやから、喋れるようになりましたんや。少しだけやけどね」
「今のは、ちょっと違いますは」
 二人は顔を見合わせて笑った。



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2010.06.25 / Top↑
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