上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
 翌日は快晴だった。この連休は晴れの日ばかりで気温も高めとなった。
 朝食をいただくために食堂へ向かった。時間が少し早かったのか、十人ほどだけがテーブルに座り食べていた。その中に昨夜の埼玉の男も、一人で窓際のテーブルに座っていた。
「おはようございます。きのうはどうも、なんか話が途中みたいなところで、寝る時間になってしもうて、もっといろいろと聞きたかったんですよ。ここに座ってかましませんか」
「おはようございます。どうぞ、今日は良い天気ですねえ、少し暑くなるかもしれないけど、雨が降るよりはいいよね」
 埼玉の男の話を聞きながら、夏樹は味噌汁を半分ほど飲んだ。それから飯を少し口に運こび、噛みながら話しはじめた。
「今まで全国を旅して来はった中で、どこが一番良かったですか」
「やっぱり、北海道やねえ」
「やっぱり」
「とにかく人間が大きくなったような気がするんですよ。ビルしか見えない都会での窮屈で忙しない日々の生活が、すごく馬鹿げたことのように思えてくるんです。どこまでも続く牧草地にいる牛や馬の姿や、丘陵地のどこまでも紫一色のラベンダー畑を見ていると、全てをわすれることができる」
 夏樹は相槌を打ちながら朝食を食べた。
「毎日、毎日、満員電車に一時間以上も乗って会社に行き、嫌味な上司と無神経な後輩、結婚までの腰掛として将来有望な独身男の目線ばかりを気にしている若い女たちに、言うたくもない上手を言って機嫌をとらなきゃいけないのか、なんてことが全部、飛んで行ってくれるんですよ」
「かなりストレスが溜まった生活をしたはるみたいやねえ」
「そうなんですよ、一応は上場の大手食品会社に勤務していますから、それなりに様々な人がいます。今の私の立場としては、かなりのストレスが溜まる部署に、それなりの地位にいますので」
「なるほどねえ、大変ですねえ」
 夏樹には北海道も大手食品会社も別世界の話のように思えた。



・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
・応援いただき、ありがとうございます。

スポンサーサイト
2010.07.05 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/315-51ee1136

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。