上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
 名田庄村を過ぎると府県境の堀越トンネルまではスノーシェルターなどがある急坂、急カーブの連続で左側は断崖で、斜面に延びた様々な樹が視界を遮るために、渓谷の底を見ることはできない。
 堀越トンネルを越えると京都府に入る。美山町(合併により南丹市)京北町(合併により京都市)を抜けて笠トンネルを抜けると京都市に入る。北山杉が有名な地域で国道の両側には杉並木が続き、ところどころに伐採した杉を加工する工場がある。ほとんどが手作業で美しい光沢を出していくようだ。
 三泊四日のバイクの旅は無事に終了した。三日目のロングツーリングは少し疲れたが、四日間の天気は良く、よい旅になった。

 中部縦断ツーリングから戻って最初の週末に、何の前触れもなく飛沢が遊びに来た。飲めもしないのに缶ビールを六本と、簡単なつまみを持って笑顔で現れた。
「明日は休みやろ、俺も休みやから、泊まっていってもかまへんやろ」
「みやげを持って来てんのに、あかんって言われへんやろ。バイト、休みなんか」
「時々、休んでもええって店長が言うてくれるんや。バイクで旅行に行ってきたんやろ、その話を聞きたくてな」
「そうかあ」
 飛沢は缶ビールを夏樹に手渡した。二人がほとんど同時に缶の栓を開け、軽く乾杯をした。そして夏樹は少しずつ旅の話を始め、飛沢は夏樹の話を笑顔で頷き、ビールを飲んだ。
 旅の話しが一段落したころには、飛沢の顔は真っ赤になっていた。二本目の缶ビールを開けたばかりだった。
「今度は一緒に行こう、お前の車で行くのもええかもなあ」
「そやなあ、行きたいなあ」
 飛沢の目は開いているのか、閉じているのか、おそらく缶ビールを持った状態で寝ているようだ。

小説のような、旅のはじまり 八章《完》



・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
・応援いただき、ありがとうございます。

スポンサーサイト
2010.08.28 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/334-81d599bf

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。