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 ギヤーチェンジの反動をできるだけ少なくするために、ゆっくりと加速してアクセルスロットルを戻す前にクラッチを切りギヤーアップをし、ゆっくりとクラッチを繋いだ。彼女の左手は荷台から離れることなくしっかりと握り、前後の反動を吸収しているようだった。一人で走るときなら守ることのない法定速度を守り、時速40キロで進み、順調に走行していたのだが、青信号の十字路をあまり減速することなく右折した時に事件が起きた。右折するためにバイクとともに身体を右に倒した、それに驚いた後輩の彼女は(追記、付き合っていた彼女ではない)左手を夏樹の腰に回すと同時に、身体を左方向へ力を入れ上体を地面に対して垂直にしようとした。夏樹は右へ後ろの彼女は左へ、バイクはバランスを崩し転倒しそうになりながらも、かろうじて停車した。
「すいません、急に右へ倒れそうになったんで、恐くなっちゃて」
「大丈夫、倒れへんから、自転車に乗るときかて、右に曲がる時は、右に少し倒れるやろ、それと一緒やからな」
 その後もスピードは控えめ、カーブや右左折の時もあまりバイクを倒さないように、会社の寮の周辺を時計回りに回り、十分ほどで戻ってきた。
「ありがとうございました。今度はもうちょっと遠くまで乗せてくださいね」
「・・・。うっうん、今度、そのうちな」
 言うまでもなく、二度と乗せることはなかった。

「夏樹、ちょっと頼みがあるんやけど」
 二年先輩の青田が声をかけてきた。青田は今年の春に寮を出てアパートで一人暮らしをはじめた。
「俺のアパートの隣の女の子と、たまたま一緒に酒を飲んだときに、バイクの話になってな、免許は持ってないのやけど、バイクが大好きなんやて」
「へええ」
「ほんで、お前の話をしたら、乗せてもらえへんやろかって、頼みこまれたんや」
「乗せてもらえへんやろかって、その人、免許ないんやろ」
「そやから、お前の後ろに乗せてほしいんやて」
 夏樹の脳裏に先日の後輩の女の子のことが思い出せれた。



・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

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2010.09.07 / Top↑
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