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 先輩の言うことだからと言うわけでもないが、青田の申し出を断る特別な理由はなく、少し気のない返事をして、二週間後の日曜日にツーリングの約束をした。
 当日はまず青田のアパートの部屋を訪ねた。すでに隣室の女性が部屋で待っていた。
「こんにちは。千葉といいます、我が侭なお願いを聞いていただいて、申し訳ないです」
「あっ、どうもこんにちは、夏樹です」
 千葉喜美子。夏樹よりは少し年下のようだ、小柄で少しポッチャリ系の女性だ。もしかして、青田が彼女にしたいと思っているのかも知れないと、ふと感じた。
「まあ、そんな堅苦しい挨拶は抜きにして、夏樹もとりあえずあがって、千葉ちゃんがコーヒーを入れて来てくれたから、一緒に飲もう」
 夏樹は玄関先に二つのヘルメットを置き、バイク用のブーツを脱ぎ、青田の部屋に上がりこんだ。
「夏樹さんは何のバイクに乗ってはるんですか」
「ホンダのXL125。内緒なんやけどエンジンは200ccを積んでるから、馬力は見た目よりあるよ」
「私もバイクの免許が欲しいのやけど、暇がなくて。今ままでも何人かのバイクの後ろに乗せてもらって、ツーリングに出かけたんやけど、みんなバイクは引退、とか何とか言って、車に乗り換えたんや」
「そうなんよ、俺の周りでもバイクに乗ってる奴は、いてないなあ」
「たまたま、隣の青田さんの話を聞いたら、会社の人でバイクに乗ってる人がいるって聞いたから、頼みこんでお願いしたわけです」
「かなり、強引やったけどな」
 青田がコーヒーを入れたカップを夏樹の前に置いた。
「ほな、バイクに乗るのは今日が初めてやないんやね」
「ええ、何回も乗せてもらった」
「じゃあ、乗り方を教えなくてもええんやね」
「任せて、私、乗せてもらうのは自信があるから」
 千葉はそう言うと、にっこりと微笑んだ。



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2010.09.09 / Top↑
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