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 夏樹より二年先輩の青田は少し元気がなかった。彼のアパートの隣人だった千葉が当然、実家へ帰ってしまったのが原因らしい。。父親の具合が良くなく、一人娘の彼女は半ば強引に戻されたようだと、青田に聞かされた。
「先輩、元気を出して、今日の帰りにいつものお好み焼きやで、飲んで行かへんか、先輩のおごりで」
「何で俺が、お前におごるらなあかんねん」
「そやかて、先輩に頼まれたさかいに、千葉さんをバイクに乗せて、ツーリングに行ったんやで」
「彼女のことは言うな」
 青田は大きくため息をついた。やはり青田は千葉に好意を持っていたようだ。
「ごめん、まあ、とにかく行きましょ」
「よし、わかった」
 青田が突然大きな声で言った。
「行こ、俺のおごりや」
「ええ、どこに行くんですか、青田さんのおごりやったら、俺も連れって下さい」
 二人の会話の後ろから、夏樹より二年後輩の野川が割り込んできた。
「お前、人の話を盗み聞きしてたんか」
 青田が行った。
「聞こうと思わんでも聞こえますよ、あんな大きな声で『行こ、俺のおごりや』て言うたら」
「あっそうか、お前以外にも聞こえたやろか」
「たぶん、聞こえてへんと思いますけど」
 青田と野川は小さな声で会話をした。
「夏樹、野川も一緒でもかまへんか」
「ぜんぜん、かましませんで、先輩」
 夏樹も小さな声で話をした。
 結局三人で会社の近くにある、お好み焼き屋に行くことになった。目の前に鉄板が置かれたL字型にカウンター席しかない小さな店だが、家庭的な味が評判で、会社の連中も時々通っているようだ。またここのママさんは飾りっけなく、素ッピンのおばちゃんだけど、豪快な笑いでいつも客を和ませてくれる。会社の寮にいる若い連中の、おかあちゃんみたいな人だ。


・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

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2010.09.17 / Top↑
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