上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
「二本目を買うてくるわ。一番、左のボタンを押すでえ」
 夏樹の顔はすでに赤くなっている。椅子から立ち上がると足元がふらついた。缶ビールの酔いと、仕事を終えてから百キロあまりの道程をバイクで走った疲れ
が入り混じり、少し足元が安定しなくなっているようだ。
「あああ、よう冷えてるは。うまい」
 オープンスペースにはいくつかのテーブルと椅子が無造作に置かれ、その周りに飲み物やアイスクリームの自動販売機が何台かあり、ゲーム機も数台が置かれていた。テレビもあるが、陸から離れると映りが悪くなり何の番組なのか分からなくなってしまった。
 二本目の缶ビールを飲み終えるころには、夏樹の顔は酢だこのように赤くなり、野田との会話も迷走してきた。
「先輩、もう寝ましょうか、くたびれたもんねえ」
 野田は夏樹より早いペースで三本目の缶ビールを飲み干していた。
「そうしましょう、寝ようか」
 そう言うと椅子から立ち上がり、空の缶を缶用のゴミ箱に入れようとしたが、足元がふらつき床に落としてしまった。なかなか酒が強くならいものだ。

 翌朝は快晴だった。今日は一日中、船の上で過ごすこととなる。小樽に着くのは約二十二時間後の明日の朝だ。この船上と言う空間でこの長い時間をどのようにして過ごすか、目の前に海があっても泳ぐわけにはいかない。客室の小さな丸い窓から外を見ていた。
「とりあえず、朝めしを食べに行こか」
 二人は顔を洗いレストランへ向かった。
 朝食はバイキング形式だ、すでに多くの客が集まっていた。そして入り口の看板を見て野田がつぶやいた。
「俺はいいです。だっていつもはコーヒーだけなんですよ、朝は。たいして食べへんのに千円は高いなあ」
 夏樹も普段はパンとコーヒーで軽く済ませる。朝から多くの食事は喉を通っては行かない体質らしい。
「ほな売店にパンでも売ってへんか、行ってみよか」


・拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
・応援いただき、ありがとうございます。

スポンサーサイト
2010.10.17 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/351-70707e95

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。