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 夏樹のジッポーのライターに火を点け、松井に差し出したとき、モジャヒゲ男が戻ってきた。相変わらずメガネの奥の目は、開いているのか閉じているのか分からないほどに細く、笑顔だった。
「松井さん、煙草を止めんたんとちゃうのん」
「うるさいなあ、あんたには関係ないやろ」
 そう言うと大きく煙を吸い込み、モジャヒゲ男の顔に目がけて吐き出した。その煙を両手でかき消すように払いのけたが、ほとんど効果なく顔にかかってしまった。大きく三度ほど咳払いをし、少し表情が変わった。
「何をすんねん、こないだ学校で俺と約束をしたやんか、煙草は止めるって。就職活動にも影響するし、俺のことも・・・」
 そこまで話すと松井はモジャヒゲ男の左腕を掴み、椅子から立ち上がった。
「変なことを、ここで喋らんでええって」
 モジャヒゲ男の耳元で小さな声で言ったが、夏樹にははっきりと聞こえた。
「変なことやないやろ、俺たちが卒業をしたら、結婚することが変なことなんか」
 モジャヒゲ男は今ままでとは違う険しい表情で言った。意外と大きく、二重瞼の目だった。
「変なことやないけど、ここで、今日、初めて会った人に喋らんかてええのとちゃいますか」
 さっきより強く松井はモジャヒゲ男の左腕を掴んだ。その時、松井の左手の指に挟まっていた煙草から、燃え尽きた灰が音もなく床に落ちた。
「まあまあ。ところで明日の朝食は何時からなんやろ」
 この場をとりあえず落ち着かせなければと思った夏樹は、とつぜん朝飯の時間などを聞いてしまった。なんともお粗末な思考回路である。


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2011.01.22 / Top↑
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