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 道路の両側に数件の家が並ぶ集落に入った。その一軒の家の前に、前を走る車を運転するおじさんの知り合いがいるのだろう、窓を空けて手を振り、ひとこと、ふたことの会話をしている。その車のスピードが減速はされても止まる様子はなく、夏樹のイライラがピークを迎えた。
「ええい、行っちゃえ」
 少しスピードを上げて、そのゆっくりと走る車を追い越した。黄色いセンターラインをほんの少しはみ出したように思う。
 追い越しをしてすぐにパトカーのサイレンが後のほうから聞こえて来た。
「前を走るバイク、止まりなさい」
「ええ、どこに隠れたんや、あのパトカー」
 こういう時はほとんどの運転者は、運が悪いと思うのだろう。だって前の車があまりにも遅すぎるし、対向車線の前方の安全もしっかりと確認した。でも、そこにはパトカーがいた。やはり運が悪いとしか言いようがないと思った。
「なぜ止められたか、分かるか」
 ミニパトカーから降りてきた警官は、五十歳前後の色黒のおじさんだった。
「さあ、少しスピードが出てたのかなあ」
「違うなあ、さっき一台の車を追い越しただろ」
 話し方に少し訛りがあり、少し聞き取りにくかった。
「はあ、そうやったかなあ」
 夏樹は少し惚けて答えた。そこへ先ほどのゆっくりと走る車が近づいてきた。相変わらず遅いスピードで走っていた。警官はその車を止めて、運転者に声をかけた。
「あんた、このバイクにあそこの家の前で越されたか」
「ああ、越された」
 なぜか警官の顔を見て微笑んでそう答えた。
「間違いねえな」
「ああ、ねえよ」
「んん、ご苦労さん、気つけて走れよ」
 警官がそう言うと運転者は窓を閉めて、ゆっくりと走り去った。
 


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2011.02.12 / Top↑
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