上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
 敦賀へのフェリーには往きの便の時よりも乗客が多いようだ。盆休みの最終日はどこの会社も同じなのだろうか。
 フェリーに乗るのは二回目となれば、多くの戸惑いもなく時間を過ごすことが出来た。もちろんビールの販売機は一番左のボタンを押した。三回買ったが三回ともよく冷えたビールを飲むことが出来た。そして帰りの便は少し陸に近いところを航行するので、進行方向左側に陸地が見えるし、船内のテレビも日本の放送局の番組が、比較的鮮明に映っていた。
「ヒッチハイクの人はどこから来た人なんや」
「ええと、東京かな。関西弁やなかったように思うけどなあ」
「一時間の間に、どこから来たか聞かへんかったんや」
「そう言うことやねえ」
 二日間の航海中は晴天が続き、甲板上に吹く風は心地良かったが、夏の日差しは暑かった。三十時間後の八月十六日、午後五時過ぎに敦賀港に着いた。午後五時過ぎの日差しは、盛夏のころの同じ時間のそれよりも色が黄色い感じがした。ほんの少しだけ陽の傾きが早くなったからだろうか。
 フェリーを降りそのまま野田の車の後ろについて国道を南へ走った。国道百六十二号線を福井県から京都府へ入るころには、周りの山々に日差しが遮られるようになり、美山町まで来たころにはすっかり暗くなっていた。
 国道沿いのラーメン屋で夕食をすませ、寮へと向かった。明日からは仕事が始まる。旅での楽しかった思いが少しづつ薄れてきて、少しづつ現実に戻っていく自分が寂しくなってきた。「もう一度、北の大地へ、必ず行こう」と心に言い聞かせながら、野田の車のテールライトを見つめながらバイクを走らせた。

小説のような、旅のはじまり 九章-完-


・拙い文章を読んでいただき、ありがとうございます。

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ


・ 応援いただき、ありがとうございます。


          下記URLにて、鉄道模型ブログも公開を始めました。
          そちらへもお立ち寄り下さい
             ⇒翼芭里鉄道建設記録






スポンサーサイト
2011.04.03 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/406-914b94d0

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。