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 アルバイトを少し早く切り上げさせてもらった飛沢が、石田と一緒に夏樹の寮へ来たのは九時三十分頃だった。二人とも一泊分の荷物をバッグに詰め、車のトランクに入れて来た。
「早かったなあ、出発まではまだ一時間以上もあるけど」
「家で時間を潰しても退屈やからなあ、バイト先の店長が今日はあんまり忙しくないから、帰ってもええって言うてくれたさかい」
「石田、久しぶりやな」
「おおう」
 相変わらず言葉少ない男だ。
 三人は夏樹の部屋でテレビなどを見ながら、一時間と少々の時間をなんとなく過ごした。これから車に乗って出かけるのだから、酒を飲むわけにもいかず、いつものように飲めない酒を飲みながらの馬鹿話はしなかった。車での遠出がはじめてという緊張からなのか、飛沢でさえも言葉が少なかった。
「飛沢、就職は決まったんか」
 夏樹が突然、口を開いた。
「んん、まだや。このまま今のアルバイト先で使うてもらおかな」
「大学を出て、小さな蕎麦屋に就職するんかあ」
「ええやないか、俺には、ああ言う仕事が向いてるような気がすんねん」
「まあなあ、人生いろいろ、俺がとやかく言うことは出きひんからなあ。お前が決めることやしなあ」
「来週な、面接やねん。車の販売の営業職なんやけどな。受かったらそこへ行こうと思うんや。もし、不採用やったら、店長に頼んでみようかな」
 飛沢は珍しく言葉に元気がなく、弱気なところを見せた。
「面接だけか」
「いいや、筆記試験もある。大卒しか採用せんところやし、給料もけっこうええみたいやで」
「それやのに遊びに出かけて、ええのんかあ」
「今ごろ何を言うてんのや、大丈夫やて」
 飛沢はいつものように大きな声で笑った。


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2011.04.14 / Top↑
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