上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑

 高校生活もだいぶなれて、二学期の文化祭が近づいてきたころだった。
 「ユースホステルってなんや」
 夏樹の高校の同級生の本村が退屈そうに言った。ユースホステルの意味すら分からずに、このクラブに入部届けを出した、不届きものである。こんな輩が他に三人いた。夏樹を含めて三人はユースホステルのことを一応は知っていたが、『安くて、若者向けの宿』この程度の知識しかなかった。

 今はとても便利な時代。辞書など引かずともインターネットで検索すれば何でも知ることができる。そこで、あらためて「ユースホステル」について調べてみた。
 「だれでも安全に、安く、楽しく泊まれる宿。部屋は男女別で四人から八人ぐらいの相部屋、二段ベッドか畳の部屋。食事、シーツのセットはセルフサービス。同宿の仲間とすぐに親しくなれるところ」
 だいたいこのようなことが書いてあった。

「たしか、食事のあとにミーティングがあって、泊まった人たちが集まって、話したり、ゲームしたり、歌を歌ったりするみたいやでぇ」
多少は知識のある安達が、部室の外に見えるサッカー部の練習を見ながらしゃべった。
「なにそれぇ、めんどくさいなあ」
 本村と同じく何も知識の無い田端が言った。

 だいたい、なぜユースホステルのことを知らない者どもが、この部に入ったのか。先輩部員がだれもいない休部状態の部であることを、少しだけユースホステルの知識のある逢坂が聞きつけてきた。こんな部でも一応は部室というものがある。教室からは少し離れて、グランドに面したところに部室がある。ようするにその部室に興味があったのだ。クラスの仲間とタムロできる場所をうまく見つけてきたのである。タムロして何をするわけでもない、ただ先生の目の届きににくい場所を見つけたのである。

「三年前から休部やったし、まあ顧問の先生も他の部の顧問もやっていて、あまり多くを望んでないみたいやし」
 ため息混じりにみんなを見渡しながら、夏樹が言った。
「けど、ここで悪いことするのはやめような」
「タバコなんか吸うてるところを見つかったら、すぐに部室を使えんようになるで」
 相変わらずサッカー部の練習を見ている安達が言った。
「そやな、せっかく見つけた隠れ家みたいなもんやさかいなあ、おい本村、ここでは吸うのやめろよ」
「なにい。田端、おまえには言われとうは無いで」
本村が少し声を荒げた。


  ランキングに参加しています
  下をクリックしてください。ご協力お願いします。
       ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
スポンサーサイト
2008.07.25 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/42-7357b023

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。