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 去年の夏に、会社の仲間と夕涼みドライブに出かけた時のことを、夏樹は話しはじめた。京都の夏は湿度が高く、とても蒸し暑いところで、クーラーなどはあまり普及していなかったころである。京都市内の北部にある池の周辺で幽霊が出ると言う情報を、夏樹よりひとつ年上の先輩が仕入れてきたのだ。男女十人で二台の車に分乗し、出かけた時のことだ。
「幽霊が出るって言われてる池の周辺は、街頭も少ないし、けっこう暗かった。車を止めて外へ降りて、しばらくは誰も喋らずにキョロキョロしてたんや」
「その時、フワーッと出て来たんか」
「きゃあ、飛沢さん脅かさないでよ」
 タナカが両手で耳を押えて下を向いていた。
「いいや、いつまで待っても、それらしいものを見ることは、誰もできひんかったんや」
「なんだ、つまんない」
「岡本さん、話はまだ終わってませんで」
「じゃあ、それで」
 岡本は嫌がるタナカの両肩を掴み、微笑んだ。
 夜の八時を過ぎているのに、この日も風もなく蒸し暑かった。一人の女が喫茶店に行って、かき氷を食べに行くことを提案した。二台の車に乗り込みしばらくすると、緩やかなカーブの両側が切り立った崖になり、街頭の灯りが全くとどかない道になった。
「月も出てへんし、真っ暗やな」
 前の車に乗っていた夏樹は、進行方向左の方を見て言った。その時、後ろの車のライトが消えた。それにつられるように夏樹の乗っていた車の運転手も速度を落とし、ライトを消した。
「なにぃ、あ、れ・・・」
 一人の女が悲鳴のような声で言った。その女が指差す方を見ると、白いものがフワフワと流れるように動いていた。車に乗っていた五人がほぼ同時に「なんや、あれわ」と叫んだ。運転手はすぐに車のライトを点けた。



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2011.06.02 / Top↑
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