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「きゃあ・・・やめてよ」
 タナカが大きな声を出し、両手で耳を押えてその場でしゃがみこみそうになった。
「ついに出たな、妖怪」
「飛沢、妖怪はでえへんで」
「それで、本物の幽霊だったの」
「車のライトの先には、前ボタンを留めずに、マントのようにひるがえる白衣を着たおじさんが、ライトも点けずに自転車に乗っている姿があったんや。その人の横顔を見ながら、ゆっくりと前に進みました。おしまい」
「白衣を着た、おじさん・・・。それが幽霊の正体なの」
 岡本の顔から笑みがなくなり、期待がはずれ、大きなため息をついた。
「まあ、幽霊なんちゅうもんは、大体だがそんなもんや。暗いところで、恐いと思う心が、柳の木を幽霊に見間違えてしまうんよ」
 石田が評論家のような口ぶりで言った。映画の仕事を目指したことのある石田は、様々な本を読んでいた。そのときの本から獲た知識なのだろう、時々すごく物知り人に見える。
「岡本さんって、お化けとか幽霊とか、そういうものが何で好きなんですか」
「えっ、だって面白いじゃん。私はね、幽霊、妖怪、それからユーホーに宇宙人なんていうものはね、信じていないの。あんなものは全て、人間の見えないものへの恐怖心をあおるために作り出したものなのよ。恐怖心をあおることで、真面目に生きていかないと、恐い思いをして、もしかすると命も奪われるよって、宗教的な戒めの発想だと思っているの。見たって言う証言が、どれもがとても曖昧で、本当にいるのなら、この目でしかと見てみたいのよ。ぜんぜん恐いとは思わないわ」
 岡本は他の四人よりも少し前に出て歩いていた。


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2011.06.04 / Top↑
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