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 ユースホステルの会員になるには、難しい手続きは必要なく、簡単にできると逢坂たち三人は下調べに行ってきたことを部室で報告した。顔写真が必要なので、スピード写真に寄って、そのままD百貨店のユースホステル協会事務局へ行くことにした。
「冬休みが終わってからな」
「おれも、そうしてほしい。冬休みにバイトして残しておくは」
田端と本村が遠慮ぎみにぼそぼそと言った。

「さて、会員証についてはこれでよし。問題はどこへ行くかやな」
「何泊するんや、それによっていくとこも変わるやろ」
「何泊って、そんな長いことどっかへ行くのか」
「はじめてやから、一泊でええのとちゃうか」
「まあ、どこでもええけど」
もともとこの部へ入部したきっかけが、先生の目が届きにくくて、タムロできるところと、とても不順な理由なので、旅とか旅行とかにはほとんど知識も、希望もましてや理想などもなく、できればどこへも行かないほうが良いなあと思っている輩が多く、積極的に意見を出しての話し合いなどはありえないのだ。

「やっぱりなあ、はじめてやから一泊でいけるところで、手ごろなとこて言うたら、奈良方面はどや」
部長の逢坂が提案した。
「せっかく行くのに一泊ではもったいないで、二泊にして飛鳥、吉野まで足を伸ばそうや。桜には少し早いけどな」
夏樹がようやく口を開いた。彼にとって飛鳥、吉野方面は未開の地域だ。飛沢とのサイクリングクラブでは京都より南方向へは行ったことがなかった。南方向は交通量が多く、自転車で向かうには少々難しいからだ。

「たしか、そこのロッカーに奈良のガイドブックがあったはずやなあ」
「安達、お前いつの間にこのロッカーの中を調べたんや」
田端が不思議そうな顔をして聞いた。
「いつの間にって、初めてここへ来た時に逢坂と夏樹と三人で見たんや」
「一応、一通り全部見た。どういう所か分かっとかんとなあ」
逢坂が当たり前のことをしただけだ、といった口ぶりだ。
「けっこう色んなもんが入ってるで、旅の情報誌とか、地図や時刻表とか。時刻表はちょっと古いけど、中には古すぎて、おれには興味あるなあ」
夏樹が得意げに話した。



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2008.07.30 / Top↑
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