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「おれたちも、高校の時はユースホステルクラブだったのですよ、みんな別々の大学に進学したので、今回はその時の仲間と、久々の同窓会旅行に関西方面へ来たのです」
「予約しないで飛び込みだったので、三人と四人と三人の別々の部屋になっちゃって」
「別の三人は女なんですけどね」
角刈りのいかにも体育会系のがっちりした体の人が、少し寂しそうに話した。
「おまえ、エリちゃんと同じ部屋じゃないから寂しいのか」
髪が一番長い人がひやかした。
「バカ言ってんじゃねえよ」
少し赤い顔になった角刈りさんが下を向いてしまった。
「あっすいません、われわれだけで盛り上がっちゃって。じつはタカは、こいつ川田孝弘で通称『タカ』がですね、そのいま名前の出てきたエリちゃんとですね、大学を卒業したら結婚することを約束していまして」
「おい、やめろよ」
赤い顔がますます赤くなって、さっきよりもいっそう恥ずかしそうに、髪が一番長い人の胸を、軽く握りこぶしでこずいた。
「へえ、おめでとうございます」
突然、逢坂がにっこりと笑顔を作ってお祝いを言った。
われわれ五人は、とりあえず荷物とシーツをその場に置き、それぞれがベッドに腰を掛けたり、床に座ったりして大学生たちの話を聞き入っていた。
 
 埼玉県の県立高校時代にユースホステルクラブに入っていて、長期の休みには必ずどこかへ旅に行ったそうだ。三年生の夏休みには、国鉄(JRになる前の話しです)を使い、二十日間で北海道を一周したそうだ。
「なぜ、二十日間ちょうどなんですか」
いつもよりさらに小さな声で岡村が聞いた。
「それは、北海道周遊券の期限が二十日間やから。そうでしょ」
鉄道オタクの夏樹が少し自慢げに大学生たちに言った。
「その通り。北海道に入ってから二十日間なので、前の日の夜行で上野駅を発って、翌朝早くの連絡船で北海道に入り、二十日後に再び青函連絡船で青森に戻って、夜行で東京へ」
「正確には二十二日間だよ」
もう一人の大学生が、肩まで伸ばした髪をかき上げながら言った。
 

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2008.08.08 / Top↑
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