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「私はねえ商社の営業をしていたのですがね、三流のメーカーなので商品の知名度が低く、なかなか売れなくてねえ、身銭を切って接待して、休みもほとんどなくて、毎日まいにち何のために仕事をしているのか、このまま定年までこんな日が続くのかと思った時に、会社に宣戦布告しましてねえ」
 微笑みながら話をしていた田中の顔が厳しい表情に変わった。
「宣戦布告って、なんかやらかしたんですか」
「数人の同僚と相談し、俺が代表として接待費の要求と、労働基準法で認められている休日の確保を社長に直談判をしたのです、が・・・」
 田中の顔がますます厳しい表情になっていった。
「まったく聞き入れてもらえへんかったんですね」
「それの方がまだ良かったですよ。最終的には監督署に行って話をすると言うつもりでしたから。社長がそんな要求は聞き入れられるような余裕はない、いやなら辞めてもらってもかまわないぞ、と少し強い語気で言ったら、俺以外の他の同僚が一人下がり、また一人下がって結局俺だけが社長の前に残っちゃって・・・」
「あらあ、それはきついなあ」
「同僚たちに裏切られたことがとても悔しくて、腹が立って・・・。それで、じゃあ辞めますって、その時の勢いで言っちゃったのです。そしたらあの狸社長は、そうか残念だねって捨て台詞のように履き捨てて行きやがった」
 田中の顔が少し紅潮したように見えた、そして俯いてしまった。三人の間にしばらく沈黙の時間が過ぎていった。
「俺はええと思いますよ、世帯を持ってからでは、なかなかおもい切ったことはでけへんもんねえ」
「すみません、なんか変な話をしてしまいました。せっかくの出会いです、もっと楽しい話をしましょう」
 田中は夏樹がこの部屋に入って来たころと同じような笑顔で言った。


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2012.01.13 / Top↑
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