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 改札を入ってすぐのホームに荷物を置きしばらく考えた。ユースホステルは目の前だがこの荷物を担いで階段を上りたくない、ふと少し危険な思いつきが頭に浮かんだ。
「そうか、ホームを降りて線路を越えて行ったらええやないか・・・」
 いつ列車が来るかわからない線路上を渡っていくのは危険である。ましてや重い荷物を担いでいるから、身軽な動きができない、やはり階段を上った方が安全である。でも荷物が重い。
「列車が近づいたらブザーが鳴るさかい、大丈夫や。向こうに行くのに一分もあれば辿り着けるしなあ」
 線路脇のホーム上に荷物を置き、線路上にゆっくりと飛び降りた。重い荷物を担ぎ不安定な足元に気を配り、ゆっくりと反対側のホームに辿り着きホーム上に荷物を置き、夏樹もよじ登った。その間に列車が近づくことを知らせるブザーは鳴らなかった。
 決心する前は危険だ、モラル違反だ、やっぱりいけないことだ、でもしばらくは列車も来ない、ほんの一分で渡れるからどうってことない、どうせ誰も見ていないし、頭の中で両極の考えが戦っていた。そんなもやもやとした思いが嘘のように清々しい気持ちだった。達成感のようなものが湧き上がってきた。なんとも大袈裟な男である。

 ユースホステルホステル土樽山荘は木造の建物で、柱や梁も一般住宅などより太くとても重厚な造りになっていて、とても立派なものに見える。
「こんにちわ。・・・こんにちわあ、すいません」
 二回目は大きな声で言ってみたが誰も出てこなかった。
「すいませぇん、誰かいませんかあ」
「はいはいはい、お帰りなさい。随分と早かったですねえ。ええと、夏樹さんかな・・」
 奥のほうから中年の女の人が、小走りで夏樹の前に現れた。




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2012.02.28 / Top↑
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