上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
 夏樹もお茶を少し飲み、ペアレントさんに話をはじめた。
「今の季節って泊まる人は少ないんですか、こんなに立派な建物やのに・・・」
「もう少し、六月の中ごろを過ぎると、山登りをする人たちが電車で来て、ここへ泊まりに来るわね」
「今はちょっと閑散期なんですね。ところで土樽の駅前にバイクを置いてきたんですけど、ここへ来る道はないんですか」
「あるけどね、一キロほど北に行けば線路の下を潜って小さい橋が架かっているのだけれど、今日の大雨で明日は渡れなくなるかもしれないねえ」
 このユースホステルの宿泊者は電車を利用して来る人たちが殆どなのだそうだ。だからと言うわけではないのだろうが、ユースホステルへ繋がる道路は整備されていないようなのだ。
「ほな、もしその橋を見つけてここへ来たとすると、明日はここから動けなくなるかも知れへんと言うことですか」
「そう言うことになるわねえ。その時はここの掃除を手伝ってもらえたわね」
 ペアレントさんは微笑みながら、両手に持った湯吞みを口へ運んだ。
「夏樹さんは一人旅中かな、プータローしながら・・・」
「はあ、プータローです。わかりますか」
「今の季節はそういう人が時々、来るのよ。バイク、自転車、徒歩。車の人はあまりいないわね」
「やっぱり無職で車に乗って旅をするような、リッチな人は少ないやろねえ」
「私たちのころはカニ族って言っていたわね。大きな登山用のリュックを担いでさ、そのリュックは横に広いものだから、前を向いて狭いところを歩くと他の人にぶつかるから横向きに、カニのように歩くからそんな風に言われるようになったのだけどね」
 ペアレントさんは昔を思い出すように遠いところを見つめ、ほんの少しだけ笑みを浮かべながら話した。

・拙い文章を読んでいただき、ありがとうございます。

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ

・ 応援いただき、ありがとうございます。


          下記URLにて、鉄道模型ブログも公開を始めました。
          そちらへもお立ち寄り下さい
             ⇒翼芭里鉄道建設記録
スポンサーサイト
2012.03.06 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/516-68372eed

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。