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「もしかしてペアレントさんは昔、カニ族だったんですか」
「はい、そうですが、そんなに昔じゃやあないわよ・・・」
 少しだけ笑みが消えた。
「大学で山岳部に入って、日本中の山を登ったわ、あのリュックを背負ってね。学校へ行くより山とそのための費用を稼ぐためのアルバイトに明け暮れていたの、おかげで二年も留年しちゃったけどね」
「山ですかあ、何で山に登るんですか、そこに山があるからなんですよね。何かで聞いたことがあるなあ」
「山はいいわよう、でもとても気まぐれで、恐いところよ」
「へえ、俺の山登りはハイキングぐらいしかしたことがないけど、そんなに恐いんですか」
「四年生の春に、いや実際には六年生ね、新入生の歓迎会としてハイキングコースのような山に登って、山頂近くの山小屋で一泊して帰ってくる予定だったの。でも翌朝に天気が急変して、小屋の周りは濃い霧に覆われたわ」
 ペアレントさんの表情がとても険しくなり、ほんのわずかに肩から両腕に力が加わったように見えた。
「わしたち上級生は何回もここに登ったから目を閉じていても歩けるからと言って、小屋を出て下山したのよ。でもその過信が良くなかったのよね、新入生がまったくの初心者だったことを忘れていたのね、予想以上に長い時間、霧が濃くてなかなか前に進めなくて、ようやく霧が晴れてきたら今度は大雨になっちゃって、こんなに大変な登山はいやだと言って八人の新人のうち半分が退部届けを出しちゃったのよ」
「僕が初めての登山でそんな天気に見舞われたら、いやになってしまうかもなあ」
「そうなのよ、その四人はほとんど無理やり入部させて連れて行ったからねえ」
「あら、そらあきませんわ・・・」



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2012.03.10 / Top↑
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