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「小説のような、旅のはじまり 三章-⑮」


 食事を終えて風呂に入り、部屋で荷物の整理をしていると館内放送が聞こえてきた。
『これよりミーティングをはじめまあす、みなさあん食堂へ集まって下さいなあ』
 あまり売れていない関西のお笑い芸人のような話し方で、スピーカーから聞こえてきた。

「こんばんは、ようこそお帰りなさい、今宵はゆっくりと旅の疲れを癒してくださいね。当ユースホステルでは、特別なミーティングはやりませんが、全部のホステラーさんに部屋ではなくここに集まっていただいてですね、とりあえずお茶を飲みましょう。そこのカウンターに紅茶のパックと耐熱ポットとカップとお湯が置いてあります。一人づつ用意するより、何人かでみんなのを用意してもらおうと思います。今日は三十四人の方がいたはるんで、五人の人に手伝ってもらいたいです」
 そこまで話し終えると何人かの女性が立ち上がってカウンターへ歩きだした、
「あっ、ちょっとまっとくんなはれ、慌てずにもう一回座ってください。皆さん、右手を上げて下さい、わたしとジャンケンをして勝った人に、この名誉あるお茶運びをお願いします」
「と言うことは負ければここに座って、待っていればええっちゅことやなあ」
 岡村が小さな声で言った。
「君の言うとおり、負ければ名誉あるお茶運びは出来ません」
 岡村はビクッとして首をすくめた。
「それではいきすよ、最初はグー・・・」

 一斉にジャンケンがはじまり、負けた人も、勝った人もニコニコしながら仲間と談笑し、食堂中が賑やかになった。
 三回ほどジャンケンをやった後に、ペアレントさんはますます目がなくなってきた。
「勝った人は立ってください」
 岡村がゆっくりと立ち上がった。
「おまえ勝ち残ってたんか、ええなあ、名誉に向かってまっしぐらやなあ」
 逢坂が満面の笑みを浮かべながら、岡村の背中を叩いた。
「八人の人が残ってますね、今日は五人ではなく八人の人に名誉あるお茶運びをお願いします」
 岡村が頭を下げて、ゆっくりと歩き出した。その後ろから高橋エリが岡村の両肩を持って、押しながらカウンターへ向かった。
「岡村君行くよ」
 なぜか岡村の顔が赤くなっていた。






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2008.08.25 / Top↑
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