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 魚屋の兄さんが何を言ったのかよく分からず、返答もせずにポカンとしていた。
「・・・、あんな何もないところにテントを張って野宿をするのかい」
 丁寧に分かりやすく話してくれた。
「はい、そうですけど。天気も良いみたいだし、明日も晴れそうなので、宿にばかり泊まっていたらお金が続かへんからねえ」
「まあ、気をつけてな、俺にはできねえことだからよぅ」
 魚屋の兄さんはとても不安気な顔になり、夏樹も少し怖気づき不安になった。
「もしかして、何かがれるとかって言うんやないでしょうねえ」
「いや、別に何も出ねぇし、近くに墓地があるわけじゃねぇけどよ、墓どころか民家も店も、なあんもねぇど。クマは出ねぇとは思うけどよ、イタチやタヌキならでるかもしれねえなあ。野良犬が出てくるかもしれねぇなあ。だから、十分に気をつけてな」
「あっはあ、野良犬ですかあ。おうきにぃ、きいつけますぅ」
 テントを張るのにちょうどよいであろう場所にもどり、バイクから荷物を降ろしテントを広げた。陽はほぼ真横ぐらいまで傾き、防風林の隙間から陽の光が揺れながら夏樹とバイクを照らした。テントを張り終え荷物をテントの中に片付け、上着の合皮ジャンパーだけを脱ぎテントの入口付近に腰を下ろした。陽は水平線の下へ潜り込んだのか、林の隙間から光が差し込んで来なくなっていた。しばらくすると林の隙間の陽が差し込んできていた方が紅く染まっていた。
 一本目の缶ビールの栓を抜き、半分ぐらいのビールを一気に流しこんだ。
「ああ、うまいなあ」
 思わず大きな声で言ってしまった。もちろん周りには誰もいないのだけれど、少しだけ照れくさい自分が可笑しかった。



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2012.06.12 / Top↑
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