上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
 ラジオで野球も面白い番組も放送していなかった。仕方なくスイッチを切るとテントの外からさまざまな音が聞こえてくる。
「ザザザッザッー」
「ギギッギッギー」
「ビィービィュー」
「ザワザワ、ザザザザワー」
 鳥か獣か風か、今までに聞いたことのない音、声、叫びが四方八方から夏樹に向かってくるように聞こえてくる。なんだか急に怖気付いてきた。クマはいないと思うけど、野良犬はいるかも、と言う魚屋の兄さんのことを思い出した。ほろ酔い加減で気持ち良く睡魔が襲ってきていたのに、いっぺんに醒めてしまった。二本目の缶ビールの栓を慌てて開け、一気に飲み干し、寝袋を被って横になった。
 どんなに早く缶ビールを飲み干したと言っても、すぐには酔いが回っては来ない。同じように睡魔も襲っては来なかった。ひとたび恐怖を感じてしまうと、今までと同じように聞こえているはずなのに、恐怖をますます大きく膨らませて感じるようになる。
 テントのすぐそばに何かの獣がこちらの様子を伺い、襲いかかるタイミングを計っているのではないか、数匹の野良犬がテントの周りをゆっくりと回っているのではないかと想像力ばかりが膨れ上がっていた。そんな想像から生まれた映像が、いつの間にか夢の世界に入って行ったようで、身体全体に薄っすらと汗をかき暑さで目が覚めた時には、テントの外は明るく陽の光でテントの中の気温も上昇しているようだった。
「いつの間にか寝てしもたんやなあ。いやあ、情けないけど、怖かったなあ。キャンプ場なら、一人でいてもこんなに怖くはないのとちゃうやろか」
 二度とキャンプ場以外ではテントを張らないことにしようと誓った。

              能代付近の松林



・拙い文章を読んでいただき、ありがとうございます。

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ

・ 応援いただき、ありがとうございます。


          下記URLにて、鉄道模型ブログも公開を始めました。
          そちらへもお立ち寄り下さい
             ⇒翼芭里鉄道建設記録
スポンサーサイト
2012.06.18 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/548-38e45630

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。