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「こんばんは。俺もここに座っていいですか」
 大学生だろうか若い男が輪に入ってきた。
「どうぞ、ここのキャンプ場は皆のもの、誰に遠慮など要りませんから、どうぞお好きなところへ」
 夏樹の隣の男が自分の隣を進めた。夏樹も少し横へ寄って場所を作った。
「皆さんはバイクでいらしてるんですか」
 若い男が言った。
「バイクでここへ来た人・・・」
 夏樹の隣の男が大きな声で輪にいる男たちに言った。若い男以外の全員が「はあい」と手を上げた。
「やっぱりバイクの方がいいですよねえ、自転車は疲れますし、距離も稼げないですから」
「自転車で来たのですか。いや、尊敬するなあ。自分の力だけで前に進むわけだから、それもテントや重い荷物を積んで走るんでしょ。バイクはアクセルを握っていればどんな登り坂も前に進んで行くからねえ」
「ほんまやなぁ、自転車の人はすごいと思うわ」
 夏樹も会話に参加した。
「関西から北海道にいらしたのですか」
「はぁ、昨日ね、青函フェリーで函館に着いたんです」
「ずいぶんと遠いところから、俺は札幌に住んでいる学生です。ちょっと三日ほどの旅に出たのですが、今度は中免をとってバイクで廻りたいですよ、自転車は疲れますよ」
 大学生と夏樹の隣にいた男と三人で旅の話や何処から来たとか、他愛無い会話をした。
 陽が完全に沈み、辺りがだいぶ暗くなってきた。輪になっている男たちはそれぞれの酒を傾けながら、思い思いの会話を楽しんでいた。その時、突然大きな音がキャンプ場中に響き渡った。どこかで聞いたことのある演歌のイントロが、何処からだろうかスピーカーから流れているようだ。
「おいおい、キャンプ場でカラオケはいかんやろ」
「あそこの団体さんみたいやなあ。俺が行って言うてくるは」
「俺も行くよ、君のしゃべり方じゃあ喧嘩になるかも知れないからね」
「喧嘩なんかせえへんて」
「まあ、良いじゃないか、一緒に行こうぜ」
 夏樹から見て輪の向う側にいる二人が立ち上がり、大きな音がする方へ歩いて行った。



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2012.09.30 / Top↑
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