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 キャンプ場に演歌のメロディーが響き渡っていたが、しばらくしてその音は聞こえてはくるが、耳障りで大きな音ではなくなった。
「一人のおばちゃんはちょっと不機嫌やったけど、おっちゃんらがすぐに「ごめんね」って音を下げてくれたから。まあ、あれぐらいのボリュームやったらBGMにちょうどええのとちゃうか」
 関西弁の男が交渉から戻って来た。
「そうだね、皆のキャンプ場だし、あの人たちは地元の敬老会の人たちだって言っていたから、そんなに遅くまではいないと思うよ」
 関西弁の男と一緒に行った男が少し送れて戻ってきた。再び焚き木を中心に輪になって宴会が始まった。
「どうぞ、一杯飲んでくださいよ、こうやって知り合うことができたんだから、俺の酒も飲んで下さい」
 札幌から自転車で来た大学生がビンに入ったウイスキーを差し出した。
「あれ、これ角瓶やんか。こんなビンに入ったウイスキーを積んできたんかぁ」
 夏樹のステンレスカップに勢いよく注ぎ、カップに八分目ほどの量のウイスキーが満たされた。
「おいおい、こんなにギョウサンは飲めんへんでぇ」
「大丈夫ですって、飲み終えたらテントに戻って寝るだけでしょ、たくさん飲んでくださいよ。僕、初めて一人でテントを積んで旅にきて、始めてのキャンプでこんなに多くの人と出会えて、感激しているんです。だからせめてもの感謝の気持ちです、これぐらいのことしかできませんが、飲んでください」
 大学生は満面の笑みを浮かべ、角瓶を持って輪になっている皆に振舞って廻った。
 カップに入っているウイスキーの半分を空のコッヘルに移し、カップからあふれるほどの水を入れ、アルコールの濃度を下げてゆっくりと飲んだ。そして、旅の話に夢中になっていた。いつの間にかあたりは真っ暗になり、BGMの演歌も聞こえなくなっていた。コッヘルにはストレートのウイスキーが残っているのだが、夏樹の発する声の呂律が少しずつおかしくなっていた。


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2012.10.04 / Top↑
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