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 民宿へは夕食後の受付でも良いからと、荷物を店に置かせてもらいバイクも店の前に停め、少し早めの夕食に出かけた。石垣の奥さんも一緒だった。
「何がいいかなあ。やっぱり小樽と言えば魚だよなあ、小樽の港に上がった魚を刺し身にしたら日本一、いや世界一だから」
「そらそうだ、魚を生で食べるのは日本ぐらいだもの」
 石垣の奥さんが突っ込みをいれた。
「じゃあ寿司を食べに行こう」
「えっ、寿司ですか・・」
「寿司はきらいかい」
「好きです。けど・・・」
「じゃあ、いいじゃん。遠慮なんかするなよ、大田の友達は俺の友達だ。なっ」
 石垣は夏樹の左側から右の肩に手を回し、肩を組むような仕草をして二度、ポンポンとたたいた。
 石垣の店から歩いて十分ほどのところに石垣たち夫婦がよく行く寿司屋があった。この店には大将が一人で切り盛りしていて、カウンターしかない。寿司屋のカウンターで、目の前で寿司を握ってもらい食べたのは、後にも先にもこの時だけだ。
「親しくなった祝いにビールで乾杯、といきたいところだが、この寿司屋には酒が一滴も置いていないんだよ、なっケンちゃん・・・」
 石垣は大将に目をむけ、少し恨めしそうな顔をした。
「イシ、そんな目で見るなよ。何回も同じことを言わせるなって、俺の寿司はな・・・」
「わかってるって」
 大将の言葉を遮るように石垣が言った。
「寿司を食べ終わったら別の店で飲むから。俺たちの他に予約が入っていないなら、一緒に飲みに行こうよ」
「俺の店だって忙しい時もあるんだよ。残念ながら」
 石垣と大将は幼馴染で、いわゆる腐れ縁だと大将は言っていた。その大将のこだわりが店には酒を置かないことだと言う。酒を飲みながらでは本当の寿司の味が解らなくなるからだ。新鮮な良いネタをしっかりと味わって欲しいから、酒類は一切置かない。握ってすぐに食べられるように、店の造りもカウンターだけ、大将の職人気質なこだわりだ。


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2012.10.27 / Top↑
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