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 差し出された紙に名前と住所と実家の電話番号を書き、その男に渡した。それと引き換えにシーツを一枚渡された。
「夏樹さんは・・・、京都ですか。一人旅をしている女性も京都の人やったなあ」
「はあぁ。きょうの泊まりですか」
「そうそう、今日の泊まりはその女性と、あなたの二人だけ」
「はっ、そうなんですか」
「たぶん、もう寝たと思うよ。夜行で青森まで来て連絡船に乗って、函館から真っ直ぐ小樽まで来たって、言ってたから。風呂入って、めし食ったら疲れた顔をしてたわ」
「そうですねえ、夜行は疲れますからねえ。と言うことは、昨日、京都を出て来たんやろなあ。俺なんかここまで・・・」
 夏樹は右手の指を一本づつ折りながらここまで何日間で来たか思い出した。
「九日目かな、途中で山形の月山に二泊やから・・・。分からんようになってもうた」
「ところで、明日は早く出かけるのかな」
「いいえ、どこへ行くかも決めてないんで、適当です」
「じゃあ、朝飯は七時半頃でいいよね。それより早いのは困るけど、遅いのは構わないから」
「はい、ちょうどいいころです。ゆっくりと寝てますから」
「けど、一応チェックアウトは十時だから。部屋はその部屋ね」
「はい、じゃあ、お休みなさい」
 洋風の扉を開くと畳が一面に敷かれた和室だった。しかし壁は白く塗られ、下半分は板が張られていた。和洋折衷の部屋だ。
(私の記憶が間違っていなければ、なのです。詳しい事情をご存知な方は遠慮なくコメント欄に「そんなんじゃねーよ」とご意見ください)
 八畳の部屋のど真ん中に布団を敷き、一人で寝た。なんとなく落ち着かないのだけれど、以外に早く寝入ったようだ。
 翌朝、目が覚めたのは朝食の時間の七時半だった。本日も良い天気だ。
「おはようございます」
 部屋を出たところにちょうど受付をしてくれた男が立っていて、微笑みながら声をかけた。
「おはようございます。ちょっと寝坊をしたみたいですねえ」
「いやいやだいじょうぶですよ。もうちょっとで朝飯の用意ができますから、そちらの部屋で待っていてください」
 その部屋は建物の中心部分あたりだろうか、広々とした畳の部屋の向うに縁側があり、その先には小さな庭が、さらにその先には小樽の海が眼下に広がっていた。


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2012.11.15 / Top↑
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