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 北の国からのロケ地には数組の観光客が来ていた。バイクで訪れているのは夏樹だけで、他の人たちはみな車で来ているようだ。
「こんにちは、京都から来たはるんですか」
 ヘルメットを被ろうとしたときに、バイクのナンバープレートを見て、ひとりの男の人が声をかけてきた。関西弁だった。
「はい、あれ、関西の人ですか」
「はあ、大阪からですねん。新婚旅行で北海道に来てまして」
「へえ、新婚旅行ですか。いいですねえ。おれは一人旅です」
「私もねえ、学生のころに一人で北海道旅行をしたんよ」
 突然,新婚のお相手であろう女の人が男の人の後ろから話してきた。
「大阪からの周遊券を買って、有効期限の二週間で北海道を廻ったなあ」
「そうなんや、俺、知らんかったなあ」
「そやから新婚旅行は北海道にしたんよ」
 そう言うと女の人は男の人の腕を握り、身体を引き寄せた。
「おいおい、彼が困ってはるやないか。すみませんねえ」
 新婚さんはとても仲が良く、夏樹の存在を忘れていたような振る舞いだった。
「あっ、すんません。一人旅って言うてはったけど、どれぐらいの予定なんですか」
 咄嗟に女の人は男の人から少し離れ、夏樹に話かけた。
「北海道には一ヶ月ぐらいですかねえ・・・」
「一ヶ月もいたはるんですか、すごいなあ・・・」
「北海道にはって、他にもいかはるんですか」
 男の人が不思議そうに聞いた。
「はあ、日本中を廻って見ようと思てます」
「すごいなあ」
「仕事は、そんなに長いこと休めるんですか」
「辞めました。プー太郎です」
 夏樹は右手で頭を掻きながら申し訳なさそうに言った。
「ええなあ、私もそんなん、しといたらよかった」
「まあ、もう少し歳をとってから、そう思わんようにせんとあかんなあって、ほんで思い切って仕事を辞めて、北海道に来たんですよ」
 久々に関西弁を聞き、久々に思いっきり関西弁を話したような気がする。旅での出会いは面白い。
「もしかして、今日の泊まりはキャンプですか、それとも何処かの宿に・・・」
 バイクの後ろに積んだ大きな荷物を見て女の人が言った。
「富良野ホワイトユースホステルにさっき予約をしときました」
「そこに私も泊まったんよ。一人旅のときに。ええとこやったよぅ」
「それは、楽しみやなぁ」


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2013.02.21 / Top↑
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