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 橋本は日本中を旅した時の話し、内藤は北海道中を営業で廻った時の宿の話しを、代わる代わる聞かせてくれた。どの話しも、これからの夏樹の行く先への大きな参考になった。
「夏樹さんは札幌にも寄りますか、その時は是非、我が家に一泊していってください。お待ちしています」
 内藤はそう言うと仕事用の名刺を渡してくれた。勤め先の会社名と住所、札幌の自宅の電話番号などが書かれていた。
「ありがとうございます、その時は連絡します」
「家に居ない時が多いからねえ・・・、前もって連絡をもらえるといいのですが」
「でも、いつ札幌に行くか分かりませんしねえ。着いたら電話してみます。橋本さんはこれからも旅を続けはるんですか」
「いや、とりあえず今日までは旅人で、明日の午後からはここのヘルパーです」
「あぁそうなんやあ、どれくらいやるんです・・」
「八月末までだから、二ヵ月ぐらいかな。九月になったら、ゆっくりと南下して、小笠原へ渡って、現地視察だね。まあ、だいたいどこで宿を始めるかの目星は付けてあるのだけどね」
「なんかすごいなあ、営業が始まったら連絡下さいよ、行きますから・・」
「本当かい、じゃあ連絡先を教えてくれるかい」
 橋本が差し出したノートに、夏樹の実家の住所とフルネームを書いて渡した。
(残念ながら宿を始めたのかは分からない。案内の連絡もないし、小笠原にも行くことも出来ていない)
「さっきの『カニの家』の話しを、もう少し聞かせて下さいよ・・。だいたい、カニ族ってなんですか」
「俺がまだ中学生のころだから、十年、いや十五年ほど前かな、山登り用のリュックがね、横に広い形をしていてさ、それを担いで旅をしていた人の格好を後ろから見ると、カニに似ているんだよ。特に街中の狭い道や、混雑している列車の中を移動するときは、他の人の邪魔にならないように横になって歩いたものだから、ますますカニに見えたんだよ」
「それなら、私もよく見かけましたよ。ユースホステルもカニ族さんたちが、ほとんどでしたが、最近はあまり見かけませんねえ」
 内藤が食後のお茶を急須に入れて持ってきてくれた。


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2013.03.26 / Top↑
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