上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
 内藤は橋本と夏樹の分の湯のみにお茶を入れてくれた。
「おぉきにぃ、ありがとうございます」
「そのカニ族さん達が安く泊まれる宿が『カニの家』なんだ。帯広の駅前に少し大きなテントが張られて・・・、十畳ぐらいの広さかな。無料で開放をして、カニ族達を泊めてくれたのさ」
「お金があまりない学生のカニ族さんは、駅前のコンクリートの上で寝袋に包まって野宿をする人が大勢いてね、夏とは言っても北海道の深夜は寒いときもあるのですよ。屋根のないところでの野宿は、ちょっと過酷です。寝袋がない人は新聞紙に包まって寒さをしのいだ人も居たようです。女の人も、けっこういたようですよ」
「内藤さんって、もしかして元カニ族ですか」
 夏樹が聞いた。
「いや、私よりも少し年下の世代の人たちですね。何処かのユースホステルに泊まった時に聞いた話しです」
「そういう人たちのために出来たのが『カニの家』なんだよ」
 橋本が笑顔で言った。彼も一度だけ『カニの家』に泊まったことがあると付け加えた。
「その『カニの家』って今もやってるんですか」
「夏になると、オープンするはずだよ」
「でも、まだ早いかもしれませんね。たしか、六月末からだったと思いますが」
「じゃ、まだですねえ。残念やなあ、泊まってみたかったなあ」
 内藤がすっと立ち上がり、厨房の入り口付近に置かれたポットから、急須にお湯を入れて戻ってきた。
「おかわりどうぞ」
「おぉきにぃ、何回もすんませんねえ」
「やっぱり関西弁はいいねえ。おれは好きだなあ。でも、関東の人間が関西弁のまねをすると、関西の人はちょっと嫌な顔をするんだよねえ」
「俺が標準語のまねをするとおかしいでしょ」
 夏樹は標準語のような話し方で言った。
「私はね、生まれ育った土地の言葉を話せばいいと思いますよ。分からない方言は、聞けばいいのですよ。そこからまた、会話が広がり、知識が増えていく。楽しいと思いますよ」
 内藤が両手に湯飲みを持って話した。


・拙い文章を読んでいただき、ありがとうございます。

    にほんブログ村 旅行ブログ 国内一人旅へ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
           にほんブログ村
・応援いただき、ありがとうございます。

          下記URLにて、鉄道模型ブログも公開を始めました。l
          そちらへもお立ち寄り下さい
             ⇒翼芭里鉄道建設記録
スポンサーサイト
2013.04.02 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/607-3ce263da

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。