上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑




 タカと一緒にエリが紅茶の入ったポットを運んで、皆に新しく紅茶を入れた。
「お二人さんおぉきにぃ、ありがとう。じゃあ続きを話そうか。どこまで喋ったかいなあ」
「トラックの荷台に乗ったところまでですよ、先生」
 夏樹はとにかく興味津々である。
「あっそうか。駅から何分ぐらいの間、トラックに乗ってたやろか、舗装をしてない砂利道を揺られるから、落とされんようにトラックの端っこを、しっかりと握り締めていた記憶がある。それでも周りの景色に感動の連続で、隣の髭さんが何か話しかけて来たようやけど、何も返答できず、牧場についてからは、髭さんが少し不機嫌だったのを覚えている」

「行ってみたいなあ、話しを聞いて創造するだけで、わくわくしてきたは」
 夏樹が言ったことに安達も大きくうなずいた。

「右も左も、前も後ろも、緩やかな丘陵地に牧草が植えてあって、牛舎と家と道具小屋以外は何も無いところに降ろされた、牧場に着いたんや。大きく揺られ続けてきたから、トラックから降りてからすぐは、ふらふらと真っ直ぐに歩けへんかったけど、それよりも雑誌で見たのとおんなじような風景に、また感動してしばらくは呆然と立ったまま、ぐるっとあたりを見ていたなあ。牧場の人に部屋に案内されて荷物を置いた、髭さんとその友達とおれと三人一緒の部屋で、布団以外には何も無かった。今日だけやでと念を押されながら、髭さんとおれの歓迎会をしてくれはった」

「牛ステーキとか、じゃがバターとかごっつぉうが出たんですか」
 食べ物の話しになると岡村が、でしゃばってくる。

「そんなものは無かった、色んなものが食卓にあったけれど、お前が言うようなごっつぉうは無かった。けど今思えばあの当時としては、最高のもてなしをしてくれはったと思うは、今と違ってまだまだ貧しい時代やったし、牧場は決して楽な仕事ではないし、儲からへんかったんと、ちゃうやろか」
 安達が岡村をまた羽交い絞めにした。




  ランキングに参加しています
  下をポチッとクリックしてください。ご協力お願いします。
       ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
スポンサーサイト
2008.09.10 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/61-e6311a48

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。