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 四人用のバンガローは遠くから見るとキノコか、傘のお化けのような形をしている。太い柱の地上から1.5メトールほど上に三角錐の部屋があり、四人で寝るには少し狭いかも知れないが、一人ならゆっくりと過ごせそうだ。

              豊頃キャンプ場

 ひとまずこの部屋に荷物を置き、キャンプ場から少し街へ降りたスーパーに夕食と朝食の材料を買いに行った。
 大きな店ではないが食品ならほとんどのものが揃い、日曜雑貨も少し置かれていた。こうしたスーパーはどこの街にも一軒はあるように思う。地理的に海から近いところではないが、大漁旗を三枚使い、魚売り場を飾っていた。ここが一番面積を取っていたこの店は、スーパーを始める前は魚屋だったのではないだろうか。
 魚売り場には氷を敷き詰めたショーケースには、まばらに魚が並べられていた。「いらっしゃい。バイクの兄さんはどこから来たの」
 ショーケースの後ろで夏樹より十歳ほど年上の男が、魚をさばき刺身として盛り合わせている。白衣を着て腰から下はビニール製の白い前掛けをし、頭には捻り鉢巻をしていた。髪形はパンチパーマー、それこそ魚屋の兄さんといった風貌の男だった。
「俺ですか、京都からきました」
「それは遠いところ、ようこそ、いらっしゃいました。京都か、行ったことないなあ」
「あれ、お前京都に行かなかったけ・・・」
 同じ歳ほどで、おなじ格好をし、隣にいた男が言った。
「修学旅行の前に、退学したんだよ。自主的にだぞ」
「あっそうか、すまねえ。そうだったなあ」
 悪いことをして退学になったのではなく、この店を経営していた親父さんが急に体調を崩したために、高校を辞めて手伝うことにしたのだと、初対面の夏樹に丁寧に説明した。
「今じゃよう、親父も元気になって・・・ほらあそこのレジにいるだろ。今度、かみさんと二人で京都に行ったときは連絡するからよ、ちゃんと案内してくれないか」
「あんた、いいかげんなことを言ってんじゃないよ、どこにそんな暇と金があるんだい」
 突然夏樹の後ろから、この店の名前の入ったエプロンをした女の人が言った。お腹がかなり大きく、まもなく生まれるのだろうか。
「分かってらい、京都から来たお客さんに楽しんでもらってんだよ」
 なんとも愉快な人たちだ。これも旅先での楽しみではないだろうか。

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2013.05.06 / Top↑
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