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 民宿のオーナーは彼女の言葉に驚きながらも笑顔を続けた。
「じゃあ、彼女には当店オリジナルの特別な寿司をご馳走しましょう」
 そう言って寿司用のシャリで少し大きめのおにぎりを作り始めた。魚の種類は分からないが、明らかに今までよりは大きな切り身のネタを二枚、卵型のシャリおにぎりに載せた。そして、その大きな寿司(?)を右手に高々と持ち上げ、ゆっくりと上下させながら「モスラーや、モスラー・・・」と言いながらショートカットの女の人に向かって行った。
その場にいたほとんど全員が言葉を詰まらせ唖然としてしまった。ただ一人、ショートカットの女の人だけは大いに笑い転げるほどに感動していた。
「当民宿オリジナルの『モスラのにぎり』です。召し上がれ」
 少し大きめの卵型おにぎりに、大きな切り身のネタをモスラの羽にみたてて載せた『モスラのにぎり』と言う食べ物が彼女の目の前に置かれた。
「わあ、面白い、カメラ持ってくるから、誰もたべないでね」
「いやあ、びっくりしたな、もう。すごいもんが出てきましたなあ」
 夏樹はちょっと古いギャグを言ってしまった。
「面白いでしょ、せっかく泊まってもらったのだから、少しでも楽しんでもらおうと思ってね。今日みたいにお客さんが少ない時だけしか出来ないけどね」
「最近は毎日のように出現していましたけどね・・・」
 オーナーの後ろに控えていたヘルパーの男の人が小さな声で言った。
「君も早くこの技を覚えてね・・・」
「はあい」
 部屋からカメラを持って来たショートカットの女の人は、『モスラのにぎり』を右に左に位置を変えながら数枚の写真を撮った。そして両手でその寿司を持ち、大きな口を空けてほぼ半分を口の中に入れた。その姿にオーナーも含め全員が唖然としてしまった。
「よっ、江戸っ子だね、いい食いぷっりだぁ」
 オーナーが言った。
 この夜はオーナーがここに民宿を始めるまでの話を中心に、夜更かしをしてしまた。旅好きが高じて北海道に住み着き、常呂にある民宿のヘルパーとなり、数年の修行の後にここに民宿を開いたということだった。そんな話を、面白おかしく聞いているものを飽きさせない喋りがとても楽しかった。

・拙い文章を読んでいただき、ありがとうございます。

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2013.07.21 / Top↑
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