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 標津ユースホステルには夏樹以外の宿泊者はまだ誰も来ていなかった。風呂はまだ沸いていないし、もちろん夕食には早い時間だ。スエットに着替えて二段ベッドの下を寝床として陣取り、ひとまず冷えきった身体に掛け布団をかけて暖まっていたが、いつの間にか眠ってしまったようだ。
 人の話声で気がつき目を覚ました時には、夏樹の居た部屋には大学生ぐらいの若者が三人で静かに談笑していた。
「あっ、こんにちは。寝てたみたいですわ・・・」
「こんにちは、もうすぐ夕食みたいですよ」
 一人の男が言った。他の二人は、にこりと愛想笑いだけを浮かべていた。
「ほな、食堂に行きましょかぁ」
 ゆっくりと立ち上がり四人で食堂へ向かった。
「今日のおかずは、なんやろねぇ」
「さあ・・・」
 先ほど夕食の時間だと教えてくれた男が言った。他の二人はいまだに声を聞いていない。なんだかとても静かな人たちである。
 食堂にはヘルパーとしてこのユースホステルに泊まりこんでいる多田が、せわしなく右へ左へと動いていた。
「夏樹さん、やっと起きましたかぁ。何回か部屋の前で呼んだんですけどねえ・・・」
「ぐっすりと寝てたみたいです」
「さあ、ここからおかずと、味噌汁をもらってください。ご飯はこっちですから」
 トレーに三種類の器を載せてテーブルを見渡すと、一人だけ女の人が先に座っていた。
「こんにちは、ここに座ってもいいですかあ」
「どうぞ、一人ですから」
「ええ、一人旅ですかぁ、バイクで・・・」
「いやあ、周遊券で来てます」
「あれ、関西からですか」
「大阪ですけど、そちらも関西やねえ」
「京都です」
「久々に関西弁を聞きますわぁ、なんか懐かしいいなあ」
 そこへ同部屋の三人の若者が、夏樹と大阪から来たと言う女の人が座っているテーブルにトレーを置き、何も言わずに座った。
「自分らはどこから来やはったんですかぁ」
「俺は鳥取です。大学の四年生です。バイクで来ました」
「へえ、バイクはなんですか、俺はGSX250なんやけど」
「俺はナナハンのカタナです」
「わあ、すごいねえ」
 大阪の女の人が言った。
「私は東京です。社会人なのですが、一周間の休みが取れたので、飛行機でおととい札幌に着きました」
「俺は、神奈川です、大学二年ですけど、二浪したので、こちらの彼と同じ年です」
「みなさん、若いですねえ」
 大阪から来たと言う女の人が言った。



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2013.08.23 / Top↑
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