上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑



 次の日、ユースホステルの玄関の前で十五人が記念写真を撮り、トシが逢坂のところへ五人分の写真を送る約束をして別れた。トシたち十人は京都へ、夏樹たち五人は飛鳥から吉野へと向かった。

「いやあ、楽しかったなあ、もう二度と逢うことは無いかも知れへん人たちやけど、きのうの夜のあの時間のことは、一生忘れへんと思うわ」
 夏樹の言葉に他の三人も大きくうなずいた。
「そやな、初めてのユースホステルの旅行に来て、一泊目からあんなに楽しいことをお前たちに体験させられるやなんて、今までで初めてやなあ。おれも、久々に旅の楽しみを味わったように思う、そやから、ついつい一人でいろんなことを喋ってしもうた」

「先生、他の旅の話も聞かせてくださいよ」
 夏樹が歩いている田代先生の前へ、立ちはだかるようにして言った。
「けど、先生は日本全国を旅したって聞きましたけど、きのうの話やと、北海道とかまくらの秋田だけですねえ」
 逢坂が不思議そうに聞いた。

「赴任先の学校ですぐにはユースホステル部を創ることが、できひんかったんや。部活を持たされることも無く、担任もせんでよかったから、夏休みを上手にやりくりして、三年間、毎年の夏休みにあっちこっちへ旅をした、行かんかったんは沖縄だけやなあ。その頃には時刻表も、地図にもだいぶなれてきて、北海道の時みたいな大きな間違いは無かったけど、ちょっとした方向間違いや、乗り過ごし、降りるところを間違うことはあった。時間が合わなくて、何十キロも歩いたこともよくあったなあ」

「それって、カニ族って言うんでしょ」
「安達はいろんなことを知ってるなあ、カニほど大きな荷物は担いではいなかったけどな」
「沖縄には今でも行ってないんですか、そこへ行けば全国制覇じゃないですか」
 夏樹が聞いた。
「行ったよ、新婚旅行で、沖縄に行ってきたんや、彼女は海外へ行きたかったらしいけれど、おれは絶対に沖縄に行くってゆずらなかった、全国制覇がかかってたさかいなあ」

  ランキングに参加しています
  下をポチッとクリックしてください。ご協力お願いします。
       ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
スポンサーサイト
2008.09.24 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/66-cf5d3164

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。