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                 焼尻島
                    《天売島から焼尻島を望む》

 天売島を徒歩で一周して港へ戻ってきた時には、雨が降り始めた。やはり朝焼けは雨降りの前兆だったようだ。
 帰りの船も客室の半分ほどの客が乗っていた。夏樹は往きと同じような場所に座り、往きと同じように居眠りをしていた。船窓から見える空はどこも濃い灰色で今日中に雨があがる気配はなく、雨ざらしになったバイクのことをふと思い出した。
「今日はキャンプができひんなあ」
 北海道に来る前も、来てからもキャンプの連泊をしていない。通帳の残高にあまり余裕がなくなってきている、できるだけキャンプをして節約していかないとならなかった。地図とユースホステルガイドを開くと、北海道に入って五日目に泊まった小平望洋台ユースホステルが近かった。港に着いたらすぐに予約の電話を入れた。
「夏樹君ですね、ほんとうにお帰りなさいだね」
「ただいまです。今日は泊まりの人が多いみたいですね」
 二回目の泊まりで顔を覚えていてくれるペアレントさんに迎えられ、なんとなく気持ちがほっこりとする。
「今日は君を入れて八人かな、みんな男だけどね。今日はちゃんとミーティングしようかな」
「楽しみにしています」
 雨の中を合羽を着てバイクを走らせて来たから、身体の芯まで冷えてしまった。まずは風呂に入り身体を温めることにした。風呂から上がり食堂へ行くと、他の四人と二人と一人が食事をしていた。夏樹を入れると四組なんだなと、なんとなくわかる雰囲気だった。
 夏樹もトレーにおかずと味噌汁、ご飯を載せとりあえず一人で来ているのだろうと思われる人のテーブルを挟んで立った。
「ここ、いいですか」
「どうぞ、僕もひとりなんで」
「大学生ですか」
「そうです、実家から札幌の大学に行っています」
「俺は京都から、北海道に来て三週間ぐらいかな。北海道って夏やのに寒いねぇ」
「札幌は普通に暑いですよ。まあ、本州よりは涼しいと思いますけど」
「そちら、京都からいらしたんですか」
 突然、四人組と思われる中の一人が話しかけてきた。
「はい、そうです」
「やっぱり関西弁はいいねえ。俺、関西弁好きなんだよなあ」
「そうか、お前は関西の大学に居たんだっけなあ」
 夏樹は、今夜も楽しい一夜を過ごせそうな予感がしてきた。


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2014.09.15 / Top↑
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