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 翌朝四時半、テントに当たる雨の音で目が覚めた。雨音を聞くと本降りの雨が降っているようだ。自分のテントとバイクは大きなテントの中にあるから、とりあえず濡れる心配はないが、このまま強い雨が降り続く中を走るのかと思うと憂鬱である。
 大きなテントの中で紅茶と、ちょっとお洒落なベーカリーショップで買った徳用のパンで朝飯を済ませ、テントを片付け雨合羽を出した。少しは雨の勢いが弱まってはきたが、しばらくやむことはなさそうだ。意を決し支笏湖畔のキャップ場を出て、美笛峠から登別方面に向った。雨足は少しずつ弱まってきたが、濃霧で行く先がよく見えず、ゆっくりと峠道を下り大滝村から壮瞥町へ、案内標識を見逃さないように注意を払って走った。
 左へ登別の標識を見つけた。林の中をしばらく走り、カーブも勾配もきつくなってきた。オロフレ峠付近は未舗装道路で、さらにゆっくりと慎重に前に進んだ。(現在は新しいトンネルが造られ、通年通行できるようだが、当時は冬季閉鎖されていたようだ)
 峠の展望台からは洞爺湖や登別側の倶多楽湖が望める絶景ポイントなのだが、何も見えない。ガイドブックにも霧がよく出ると書いてあった。オロフレ峠からの下りは、急カーブ、急勾配が登りよりきつく、さらに濃霧で先が見えない、登り以上に慎重に進まなければならなかった。
 ようやく峠道の急勾配が終わり、登別の温泉街に入って来たようだが、バイクに乗ったままゆっくりと見ながら通過してしまった。国道36号線の少し手前の屋根のあるバス停で寒さに震えながら休んでいると、道路の反対側の喫茶店の玄関から手招きをする人がいた。
「そんなところにいないで、中に入って休んだら」
 はじめは誰に言っているのか分からず、辺りを見渡していたが夏樹しか回りにはいない、夏樹に声をかけているようだと、すぐに気がついた。バイクに跨り道路を渡って喫茶店の前に停めた。
「こんな日にバイクじゃ寒いだろう、合羽を着たままでいいから、コーヒーでも飲みなよ」
「このままで、いいんですか、じゃお邪魔します」
 ログハウス風でカウンターだけの小さな店内は、ほのかに暖房が入っているのか、暖かかった。店の奥はペンションになっているようだ。
「寒いでしょ、コーヒーでいいかな」
「はい、おぉおきに」
 合皮ジャンパーの上から合羽を着ているから、少しぎこちない動作でカウンターの椅子を引き、腰を降ろした。


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2014.11.16 / Top↑
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