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「旅のはじまり 3」

テレビのバラエティー番組で「はじめてのおつかい」というのがある。小さな子供たちが初めてお使いをしてくる様子を、カメラがこっそりと映して、番組のゲストと一緒にハラハラ、ドキドキして我子のことのように、驚き、肝を冷やし、感心するというものだ。

 人間は小学校を入る前から、様々な初めてを経験、体験しておおきく成長して行く。個々にそれぞれの初めてがある。

小学校六年生の春休み(正確には六年生になる前の春休み)に親父の実家である祖母の家へ、一人で行った。初めて一人で出かけた。駅までは送ってもらい、向うの駅までは迎えに来て貰ったが列車の中は一人である。山陰の小さな漁師町の小さな駅まで、ドン行(普通列車)にゆられて六時間、小さな駅までのはじめての一人旅となった。
小さい頃から何回もドン行にゆられて、祖母の家まで行っているうちに、『ガタンゴトン・ガタンゴトン・・・』とゆられて行くドン行列車は、僕には心地の良い大好きな空間となった。
だまって外の景色を見て、時々虫のなく声しか聞こえないような静かな駅に止まると、反対方向からけたたましい音とともに通り過ぎる特急列車を楽しむ。通り過ぎた後には何もなかったように虫が静かに鳴いていた。

『ガタンゴトン・・・』

を聞いているだけで、あとは何もいらなかった。

df50

 今でもあの『ガタンゴトン・・・』を聞くと心が休まる。
(今の電車達の『ガタンゴトン』は速すぎてダメだ)
 その頃のドン行は、先頭のディーゼル機関車や蒸気機関車が、ぶどう色の煤(すす)汚れした客車を引っ張って走るものだった。
 『ピィーー』と発車の汽笛が鳴り、少し間があってから『ガッタンゴゴットンガン』とゆっくりと動き出す。最後のガンは座席の木の背もたれに頭をぶつける音である。運転の上手な運転手は最後の『ガン』はほとんどなく静かに動き出す、しかし、そうでない運転手は『ガン』とおもいっきり頭をぶつける。子供の僕にはドン行が発車する時に起こる『ガン』の振動には到底勝ち目はなく、不意に襲ってくる動きにそのまま体を預けるしか術(すべ)がない。木の背もたれにかなり強く頭をぶつけてしまう。
 しかし、今の電車はとても静かに大きな振動も、音も、頭を『ガン』と打つこともなく『スー』と発車してしまう、あの『ガン』がとても懐かしい。

客車


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2008.05.10 / Top↑
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