上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
 十五分毎ぐらいにサイロの上から干された牧草が降ってくる。降り終わると直ぐに三人で踏み固めていく、その繰り返しだった。黙って踏んでいると飽きてくるからと、神田が高田と夏樹に矢継ぎ早に質問をしてきた。
「高田君は札幌の大学生だろ、ナツ・・・、なんだっけ」
「ナツキです」
「そうそう、どっから来たんだっけ。おめぇさんも大学生か」
「いいえ、仕事を辞めてきました。京都に住んでました」
「京都か、俺も一度行ってみていなあ。なんで仕事を辞めてきた」
「いやあ、若いうちにゆっくりと旅がしたくて」
「ほうう、俺なんか牛がいるから、旅行は修学旅行で行った札幌だけだなぁ」
 牛の世話は一日も欠かすことができないのだと、神田に聞かされた。そんな他愛のない会話が続き、しばらくすると外から大きな声でサイロの外へと呼び出され、干し草がサイロへ降り注がれた。そんな作業が何回か続き、大きく陽が傾いてきたときだった。
「今日はこれぐらいにすっか」
 神田がトラクターを運転していた男に言った。
「んだなぁ、続きは明日にすっか」
 神田よりは十歳ほど若い風貌だった。後で聞かされたのだが、隣の牧場の人で、この周辺の牧場五軒で干し草の収穫を共同で作業をするのだそうだ。隣の牧場と言っても、車で十分ほどの距離にその牧場の住宅があるそうだ。
「高田君は、今日は宿に帰るんだっけな」
「はい、明日の朝にまた来ます」
「ナツ・・・キ君は泊まって行くか」
「あっ、いいんですか」
「かまわねえよ、あそこの宿みたいに綺麗じゃないけど」
「じゃあ、お世話になります」
「で、今日はおしまい、家に行って風呂に入ってゆっくりしてけろ、俺は牛の世話があっからよ」
「せっかくやから、俺も手伝わせてください」
「いいや、今日はだめだ」
 急に神田の表情が厳しくなった。仕方なく家に向かい、高田もユースホステルへと戻って行った。その時、高田が教えてくれた。
「慣れない人が牛に近づくと危ないのだそうです」
 詳しいことはその夜に神田から聞かされることとなった。

・拙い文章を読んでいただき、ありがとうございます。

    にほんブログ村 旅行ブログ 国内一人旅へ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
           にほんブログ村
・応援いただき、ありがとうございます。

          下記URLにて、鉄道模型ブログも公開を始めました。l
          そちらへもお立ち寄り下さい
             ⇒翼芭里鉄道建設記録
スポンサーサイト
2015.05.10 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/700-c02e774b

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。