上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
 札幌の大学生は自分の提案した発泡スチロールを付けた筏が、彼の計算通りに湖に浮くのか、身をもって体感したいから乗りたいと言った。
「体重は確実に森山さんより重いですが、計算上は大丈夫、浮くはずです」
「ほな、これで筏に乗る人は決まりということで、あしたはみんなでこれを湖まで運ぶのを手伝ってくださいね」
 ここでちょうど夕飯の時間になり、夕食はこのユースホステルに泊まって一番の宿泊人数だった。今日来て少しだけ手伝った人も、初めから準備に加わった人も、一緒に明日の本番に向けて思い思いに語り合った。

 クッチャロ湖水祭りの当日は曇り空で今にも雨が降ってきそうだった。筏に乗る三人はそれぞれが被る張りぼての仮面を持ち、他の宿泊者たちは筏を担いで湖に向かった。ほとんどが二十歳を過ぎた大人たちが、完全に童心に戻り筏レースが始まる前から楽しんでいた。
「美山さんと学生さん、この辺から被って行った方がええのとちゃうか、少しでも子供たちの視線をこっちに向けて、点数稼ぎしましょうや」
 森山がイノキの張りぼてを被りながら、他の二人に言った。すると湖の入り口付近で数人の子供たちがそれを見つけ、直ぐに寄ってきた。森山の言う通り子供たちには人気を博した。

             人気者
 
     イノキ キン肉マン

 湖に着くとますます子どもたちが集まって来た。他の参加者も集まって来た。十チームほどだった。湖畔から直ぐのところから一斉にスタートし、五十メートルほど沖に出て戻って来るだけのレースだ。
「ほな三人とも頑張って、結果はもう見えたようなもんや、あれだけ子供に人気があるんやから、ペアレントさんが言ったはったように美術点が重視されるんやったら、ぶっちぎりやろ・・・」
「そうだよね、他はまあ普通かな・・・」

           スタート

 美山も自信があるようだった。ところが一つだけ問題が出てきた。湖が予想以上に浅く、筏に三人が乗ると発泡スチロールが湖底に着いてしまったのだ。三人はそんなトラブルを解決する間などあるはずもなく、スタートの合図がなった。どんなに竿を湖底に付刺し前に進もうとしても全く動く気配はなく、仕方なくキン肉マンを被った大学生が筏から降りて押し始めた。少し前に出すと浮いているようだったが、大学生が乗るとまた湖底に着いてしまうようだった。男二人が筏から降りたり、乗ったりを繰り返し前に進み、ようやく折り返し地点に着いたころには、大半の筏はゴールしていた。

            折り返し地点

 筏に三人も乗ったのが一番の敗因のようだった。他は一人か二人、優勝チームは一人乗りだった。


・拙い文章を読んでいただき、ありがとうございます。

    にほんブログ村 旅行ブログ 国内一人旅へ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
           にほんブログ村
・応援いただき、ありがとうございます。

          下記URLにて、鉄道模型ブログも公開を始めました。l
          そちらへもお立ち寄り下さい
             ⇒翼芭里鉄道建設記録
スポンサーサイト
2015.08.16 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/709-0c4a7658

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。