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「俺は、たまたまやりたいことが決まっていて、それが職人仕事やから何ぼでも早く、その仕事を覚えた方がええって言われたんや。ほんまは高校へ行かずに修行したほうが、ええねんけど,って言う人もいたけど、親父が高校だけは出ておいた方が、これからのためやからって、その仕事がいやになるかも知れへんし、他の理由で出来なくなることもあるかも知れへんし」

 車窓を見ることもなく話に夢中になっていた。何処の駅だろうか、停車しているこの列車の横を、二両編成のディーゼル車が綾部方面へゆっくりと発車して行った。そのディーゼル車の走行音が聞こえなくなってすぐに、夏樹たちが乗ったディーゼル車の発車を知らせる警笛が「ブオォーーーン」と聞こえてきた。

 夏樹が自分の思いを続けた。
「飛沢が言うたとうりやと思うんやけど、まだ十七歳になったばっかりやろ、今はこれがやりたいと思ってその道に入っても、思てたのと違うことに、やってみて初めて『こんなはずやなかった』って気づくこともあるかもしれへんしな、それでその仕事を辞めて転職するときに、中卒ではなかなか仕事を見つけるのは難しいやろ、履歴書に高校卒業と書かへんと、雇ってくれるところが少ないんのとちゃうやろか。そういう意味では大卒の方がもっと有利やろなあ」

「そうなんや、とりあえずでも大学を出ておけば、就職のときに何ぼでも有利やということは分かってる、そういう理由で大学にはいろうとしてるのが半分や、残りの半分は、俺が今の段階でやりたいこと、やって見たいことが見えてきいひんから、大学に行けば何かが見えてくるのとちゃうかなと思うんや、見えてくるまで高校にいるわけにも、いかしまへんしなあ」
 飛沢が少しおどけて言った。

「赤川の言うとうりや、来年のことなんか話してたら鬼に笑われるわ。せっかくの夏休みにこうやって遊びに来てんのやから、楽しまんとな」
「おい石田、俺たちは遊びに来てんのとちゃうで、鉄道研究会として研究に来てるんやかな」
 赤川のこの一言で四人が大笑いをして。
 夏樹たちの乗ったディーゼル車はクーラーがない列車だ。大きく開けた窓からの心地よい風を感じながら、車窓に見える山々や田園風景を楽しんだ。



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2008.10.20 / Top↑
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