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 高校二年の夏休みは、飛沢、赤川、石田、そして夏樹の四人で丹後半島の間人(たいざ)への二泊三日の海水浴旅行に行った以外は、四人ともアルバイトに勤しんでいた。要するに四人とも夏休みにもかかわらず、毎日のように学校へ行かなければならないような、部活動は何もやっていなかったのだ。四人ともに運動は遊びとしての域を超えるほどの興味、関心はなく、中学生時代も何も入っていなかった。

 また、あの当時の体育会系の部活は、先輩、後輩の縦の関係が非常に厳しく、一年でも年上の先輩の言うことは絶対だった。それだけその競技への強い想いと、強靭な精神力のない人間は部活動に入っても、苦しいだけだったかもしれない。四人が通っていた中学校の体育会系の部活は、大会では常に上位入賞をする部が多かった。
 文化系にもあまり興味を持てる部活はなかった。絵を描くのも、音符も苦手だった。

 夏樹が籍を置いている、ユースホステル部と、鉄道研究部は、夏休みにおいては自主活動、自主研究ということだった。結局、何もないのである。

「夏樹」
 夏休みが終わって二学期が始まったころだった、安達が声をかけてきた。
 安達も夏樹と同じくユースホステル部と、鉄道研究部に籍を置き週に一度の活動日に顔は会わせていたが、相変わらずユースホステル部には、この二人と逢坂と一年生の何人かが顔を出すだけだった。
「冬か春の休みにスイッチバックを見に行かへんか」
 スイッチバックとは、列車が高低差の大きい急傾斜を、ジグザグに登りくだりする場所である。

「ユースホステル部と鉄道研究部の両方の自主活動が出来るやろ、スイッチバックはこの辺にはないから、一度見て見たかったんや」
「ええなあ、何処へ行くんや」
「島根県の宍道湖のある宍道駅から、県境の岡山側の備後落合駅を結ぶ、木次線の出雲坂根駅にZ型のスイッチバックがあるんよ」

 地図を見てもはっきりとZ型に線路が書かれている。
「そこやったら山間のローカル線やろ、列車の本数は少ないやろなあ。早めに計画を立てんとあかんなあ。岡山側から島根に行って、そや出雲大社にお参りにいこ、あそこは縁結びの神さんやろ、そろそろ彼女が出来ますようにって頼んでこうよう」
 さっそく二人は地図と時刻表を開いた。


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2008.10.27 / Top↑
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