上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑




 山陰方面へはいつも始発の列車に乗って行くのだが、今回は山陰本線の長距離列車の最終便、二十二時ごろ発の夜行列車に乗って行くことにした。夜行鈍行である。
     (残念ながら現在の時刻表には載っていない。いつの間に
     廃止されてしまったのだろうか、またまた、鉄道研究会を
     サボっていました)
 この列車で米子まで行き、伯備線で新見へ芸備線で備後落合へ、そして木次線で出雲坂根駅へ向こうことにした。

 この夜行鈍行は山口県の下関駅までの各駅停車の鈍行で、亀岡あたりまでは会社帰りに一杯飲んでのサラリーマンの乗降があったように思う。その先はほとんど人の乗降はなく、静かに駅に止まり、静かに駅を後にしていく、この連続であった。
 嵯峨駅を過ぎれば、街の灯りはなくなり、車窓からは何も見えなくなる。窓ガラスには車内の様子がくっきりと映り込んでいた。亀岡駅を出たあたりだろうか、車内アナウンスはなくなり、室内灯も少し落とされて薄暗くなる。各駅停車の夜行鈍行なのに、一両だけではあるがB寝台車が連結されていた。

 四人掛けのボックス席には、二,三人ずつの人しか座っていなかった。一人で四人分を独占している人もいた。夏樹と安達も四人分を二人で使っていた。
「今日は空いてる方なんやろか」
 静まり返った車内に夏樹の小さな声が、隣の席の客にも聞こえてしまいそうだ。
「どうなんやろ、分からんけど。結構、揺れるなあ」
 車内アナウンスはないし、駅での出発のベルも鳴らないが、発車の時は『ガッタンゴッゴン』と大きく揺れる。
「今日の運転手はへたくそやなあ」
「そうみたいやなあ」
 夏樹と安達は、窓に映っているお互いの顔を見ながら、苦笑いをした。

「米子に着くのは朝の七時半ごろ。寝過ごさんようにちゃんと降りんとなあ」
「夏樹、心配せんでも大丈夫やと思うで、多分、寝られへんのとちゃうか、走ってる時も結構、揺れるし」
「いや、俺は寝てしまうかも知れへんから、安達、自分に頼むは、起こしてな」




  ランキングに参加しています
  下をポチッとクリックしてください。ご協力お願いします。
       ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
スポンサーサイト
2008.10.29 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://suzukaze930.blog19.fc2.com/tb.php/78-e6ed7b70

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。