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『ゴウウウウーーーー』
 トンネルに入ったようだ。夏樹の声が聞こえなくなった。二人はトンネルを抜けるまでの間、話をするのを止めた。あまりの騒音で何を言っているのか分からなかったからだ。
「なんやえらい長いトンネルやったなあ」
『ガタンガガッタガタゴトン』
 大きく左右に揺れて、ポイントの上を通る大きな音がした。しばらくして駅名表示板に『柴山』と言う字が読めた。

「柴山駅か、もうすぐ餘部の鉄橋やなあ。安達のその友達も、なんかのきっかけがあったんやろなあ」

 ある日、学校から帰る時に安達はその友達と一緒になった。お互いに昔からの仲の良い友人としての会話がはじまり、彼は小学校のころとなんら変わらない様子で、安達と話をしながら歩いた。すると少しうつむきがちに寂しいそうな声で、太いズボンを穿くようになった理由を話しはじめた。
「こうしてると楽なんや」
 彼は中学校に入ってすぐに、このワルボスに変な言いがかりを付けられて、殴られたのだ。それからも学校内で会う度に、校舎の影に連れて行かれて殴られたり、小銭を取られたりしたようだ。
「学校に行くのがいやになって、よく休んだんや」
 彼は安達の顔を見ながら言った。
 どうすればこんないやな思いをしなくて済むのか、彼なりに考えた。決して学校に行くのは嫌いではない、できることなら毎日、学校へ行きたいのだ。そして彼が選んだ方法は『ワルいやつの仲間になればええんや』だった。

「ある日、髪を整髪料で固めてリーゼントにして、普通の学生服の下に白地にプリント柄のTシャツを着て、学生服のボタンを全部あけて、少しうつむき、上目づかいにして、両手をズボンのポケットにいれて学校へ行ったんやて。」
「突然そんな格好をして行ったら、みんなが驚いたやろなあ」
「うん。クラスのみんなが呆気に採られ、変な、怖いものを見るような顔をして、彼を遠巻きに見てたそうや」
「そやろなあ」
「けど、喜んで彼を迎えてくれた連中がいたんや。ワルグループのボスとその仲間たちやった。



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2008.11.10 / Top↑
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