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 ある日突然、変わってしまった安達の小学校の時の友達は、ワルグループのボスのお下がりの太いズボンを貰い、やがてお尻全部が隠れるような長い学ランを買って、その連中といつも一緒に行動をとるようになった。当然、今までの友達はみんな、離れていった。でも、変わる以前のように、その連中からいじめらたり、小銭を取られたりすることはなくなった。逆に、取る側の後ろでいつも睨みを利かせていたようだ。

「けどな、あいつ『俺は直接、人を脅したり、小銭を巻き上げたりはせんかった、虎の威を藉る狐を演じていただけや。そうせんと、いつまでも俺が脅されて、いやな思いを毎日することになる』少し涙ぐんだ目で俺に言うんや」
「かなり切羽詰まっての選択やったんやろな」
「ワルグループに立ち向かう勇気も、腕力も、知力も持たない人間の、究極の選択やったと思うで」

『ガッタンゴッゴン』
 大きく揺れたが、柴山駅を静かに発車したようだ。

「それから、そのワルグループが次に狙いをつけたんが、俺やってこっそりと教えてくれたんや」
「えらいこっちゃがな」
「俺かてびっくりして、スーッと血の気がひいたで。これはやばい、何とかせんといかんって。けど俺かて立ち向かう勇気も腕力も何もないから、何日かはなにも手に付かずに、そのことばっかり考えてた」
「ほんで、どんな風に考えたん」
「俺も彼とおんなじようなことしか、思い浮かばんかった」
 
 安達は彼なりの作戦を立てた。急に変わってしまうと、今までの友達を無くしてしまう。だから、安達の友達のような方法ではだめだ。そこで、何気ない素振りでワルのボスのことを聞いて回った。そして自分より腕力の強い奴には、手を出さない、意外と思ったほどたいしたことのない奴なのだ、という情報を手に入れた。

「それで俺は柔道部に一年の二学期から入ったんや」
「えっ、何でそこで柔道部なんや」
「小学校の時の友達で、誰よりも体が大きくて、ちっさい頃から柔道をしていた奴がいてな、中学校でもすぐに柔道部に入って、一年生の時から団体戦の大将をやったこともあった」
「へえ、すごいなあ」
「まあ方法は違うけど、簡単に言えば俺も『虎の威を藉る』ことにしたんや。正面から向かって行っても、争いが日常化するだけやろ」



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2008.11.12 / Top↑
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