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 安達は柔道部に入って強くなって、不良たちに立ち向かう方法を選んだのではなく、おそらく一年生で一番体が大きく、一番強そうな柔道部の友達といつも一緒にいれば、標的にされることはないだろうと考えたのだ。
 もし強くなって正面から向かえば、いくら大したことのない奴でも、あらゆる手段を使って攻撃してくるのではないだろうか、するとこちらも黙ってやられる訳にはいかないので、攻撃することになるだろう。暴力に暴力で立ち向かうと、どちらかが降参するか、大怪我をするまで続く可能性がある。憎しみに憎しみが掛け合わさると、その憎しみはもっと大きな憎しみとなる。その最たる悲劇が国同士の戦争である。
 争いになった最初の理由など大したことではないのだ。しかし、攻撃に対して攻撃すると、始めの攻撃よりさらに大きな攻撃を仕掛けてしまう。こうやってどんどんと大きな憎しみと、争いになっていくのではないだろうか。
 男の面子などは結局のところ、大したことないのだ。

「けど柔道部の練習って、けっこう厳しくはなかったか」
「うん、中途入部やし、あんまり体力には自信がなかったし、はじめの三ヶ月ぐらいは、きつかったなあ」
「そやろなあ。俺の中学校の柔道部には、けっこうワルい奴もいたけど、大丈夫やったか」
「俺のとこもちょっとカッコつけて、流行の服を着たり、基本的に丸刈りの部やのに、『ヘヤー&カット』の雑誌を一生懸命見たりしてる先輩もいたなあ」
「なにそれ」
 夏樹が思わず噴出すように笑った。

「それとタバコを吸ってる先輩が多かったなあ。悪いことといえばそれぐらいで、弱いものいじめしたり、喧嘩したりはせんかったなあ。練習もまじめで、大会ではいつも上位入賞やった」
「たばこかあ」
「厳しい練習の後に一服すると、ものすごく楽になった気がするねん」
「へえ、そうなんか?俺にはわからんなあ」

『ゴウウウウーーーー』
 トンネルに入ったようだが、すぐに抜けた。速度はさほど速くはなかったが、いつもの走行音よりもはるかに金属的な高く大きな音が客車全体に響き渡った。

「ううん、餘部鉄橋みたいやなあ。微かに下の方に家々の明かりが見えるなあ」
「真っ暗で何も見えへんけど、ここが餘部鉄橋なんや、ゆっくり見たいなあ」
「帰りにはここに昼ごろに着くから、駅に降りてじっくり見れるで」




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2008.11.14 / Top↑
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