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 夏樹たちは高校三年生になり、飛沢と石田、赤川は受験モードに入り、鉄道研究会とサイクリング同好会は休部状態になった。
 夏樹や、安達たちは就職活動というより、仕事探しがはじまった。当時はそこそこに景気も良かったのか、求人はけっこうあったように思う。毎日のように職員室にいき、求人票を見に行った。
 就職組みは夏休み中に各企業へ、会社見学に足を運び、また学校へ行って違う会社の求人票を見ては会社見学に行った。

 夏樹は夏休み中にアルバイトに行っていた会社の紹介で、そこの取引先にアルバイト先の社長と一緒に見学に行った。
「夏樹君、せっかく、うちの会社の仕事を覚えたんやからこのまま、うちに居てくれへんか」
「ありがとうございます。でも、俺がやってみたいことは、いま紹介していただくような会社なんです」
「確かにあそこは、これから成長していくであろう会社やし、うちと共に頑張っておおきくなりたいと思ってる。けど、うちの方が給料はええで、少しやけどな」
「ほんとに、社長をはじめ皆さんには良くしていただきました。仕事だけではなく、いろんなことを教えていただきました、とても勉強になりました。もし、いま紹介していただく会社で不採用になったら、拾っていただけますか」
「そうかあ、分かった、その時はまかしとき」

 従業員が五十人ほどの小さな染物工場だけれど、社長はまだ三十四歳。従業員もほとんどが二十代の若い会社である。
 ひと通り工場を見学してから、社長と専務、総務部長、そしてアルバイト先の社長と夏樹の五人で、ほとんど雑談のような会話がはじまった。
「社長、ものすごうエエ青年やから、ほんまはうちに来てほしいんやけど、どうしてもお宅みたいなところで、仕事をしたいて言うから、何とか頼みますわ」
 アルバイト先の社長が夏樹のことを紹介した。

「川田はんがそう言うんやったら、何も問題ないやろ。ところで夏樹君やったかいなあ、なんかスポーツはしてたんか」
 染物工場の社長が大きな体を、ゆっくりと夏樹の方へ乗り出すように言った。
「いいえ、スポーツは好きですが、部活としては何もやってなかったです」
「そやそや、もし彼をお宅での採用が決まっても、うちの野球の試合の時は、しばらくの間は貸してや、Bチームのエースなんや」
 川田社長が微笑みながら言った。





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2008.12.15 / Top↑
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