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「ひさしぶり、夏樹やけど」
 二ヵ月ぶりぐらいだろうか、受験モードに入っていた飛沢に電話をかけた。
「勉強は捗ってるかあ。おれなあ、一応、就職決まったんや」
「そうか、おめでとさん。たまには会おうか、うちに来いよ、新しいレコードはないけど、俺もたまには息抜きや」
「よっしゃ、今すぐに行くわ」

 飛沢の家ではいつものように、ステレオで何かしらの音楽を聴きながら、他愛のない会話が続く。今日は、夏樹を音楽の世界に熱中させる切っ掛けになった、ザ・ビートルズの「1962~1966」いわゆる赤版を聴きながら、近況などを報告しあった。

「どうやあ勉強のほうは、受ける学校は決まってんのかあ」
「三つほど決まってる。本命のとこはちょっと難しいんやけど、今からでも何とか頑張ればいけるって言うてくれてる」
 飛沢は受験に向けて、家庭教師を頼んだのだ。その先生に難しいが、今からでも真剣に勉強をすれば大丈夫、と言われているようだ。
「夏樹も就職が決まってよかったなあ。どこにあるんや、そこの会社は」
「市内やけどなあ、寮があるんや、基本的には全員が寮に入るらしいは」
 その時ちょうどA面の最後の曲『キャント・バイ・ミー・ラヴ』が終り、レコードプレーヤーの針が自動で戻っていった。

 飛沢はレコードプレーヤーのターンテーブルに載っているレコードをA面からB面へ載せ換えて、静かにレコード針を置いた。
『ア・ハード・デイズ・ナイト』邦名は『ビートルズがやって来る!』がはじまった。

「寮に入るということは、家を出て行くことか、市内やのに寮に入るんか」
「ああ、親元を離れて、ある程度は自分自身で生活して、なんて言うのかなあ、こう言うの」
「自立か」
「そうそう自立した生活って言うやつよ」


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2008.12.19 / Top↑
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